社会|2025年5月22日掲載

各都道府県歯科医師会・女性歯科医師の会代表者が意見交換

日歯、令和7年女性歯科医師の集いを開催

日歯、令和7年女性歯科医師の集いを開催

 さる5月21日(水)、歯科医師会館において、日本歯科医師会(以下、日歯、高橋英登会長)による令和7年女性歯科医師の集いが開催された。本集いには、各都道府県歯科医師会・女性歯科医師の会に所属する代表者が参加し、会場には約50名が参集した。

 瀬古口精良専務理事の開会宣言の後、蓮池芳浩副会長による挨拶が行われ、有意義な意見交換の場となることへの期待の言葉が述べられた。その後は、太田謙司氏(日本歯科医師連盟会長)、村上恵一氏(同副会長)が挨拶を行い、両氏は、歯科界の声を社会政策に反映していただくためにその声を政界に届けられる窓口の必要性について述べた。そして、きたる7月に行われる参議院議員通常選挙において「推薦候補者として支援している比嘉奈津美氏(参議院議員)を何としてでも再選させなければならない」と強調し、比嘉氏への後押しをよびかけた。

 続いて、第1部「講演」では基調講演ならびに特別講演2題が行われた。基調講演では高橋会長が「期待高まる女性歯科医師の活躍~国民皆歯科健診の実現に向けて~」と題し講演。高橋会長は、歯科医療提供体制をはじめ歯科医療費の動向、歯科界のさまざまな課題について述べ、「歯科界として女性が活躍できる環境の整備は必須である。歯科医療提供を守るためにはこれまで以上に女性の力が必要」と改革の必要性を訴えた。

 その後は、齋藤秀子氏(日歯・男女共同参画推進検討委員会元委員長)が特別講演1「日歯 男女共同参画推進検討事業から見えてくる女性歯科医師の未来」、中村勝文氏(埼玉県歯科医師会副会長)が特別講演2「男女共同参画推進事業~埼玉県歯科医師会の取り組みを中心として~」と題して講演した。

 齋藤氏は、日歯として女性が活躍しやすい環境整備のために行ってきた取り組みの軌跡や女性ゆえに発見・アプローチしやすい点について説明し、「女性会員の活躍推進は新しいイノベーションの創出につながり、歯科医師会事業の活性化に資するもの」とまとめた。また中村氏は、これまで埼玉県歯科医師会が行ってきた取り組みやアンケート調査から会員から挙げられた声を紹介し、「女性会員の活躍は、女性だけでなく男性、現役学生まで巻き込んで一体となって取り組むことが重要ではないか」との見解を示した。

 第2部「活動報告」では、各県の女性歯科医師の活躍支援にかかわる団体の取り組み事例が資料をもとに共有された。その後は、参加者らによる質問や意見交換が行われ、「直前でも柔軟に出勤を調整できる、時短で勤務できる、ブランクがあっても働ける」こういった条件を叶えられる働き口がない社会の実態。女性のための取り組みではなく、お互いに補い尊重しあう視点など忌憚のない意見が交わされた。

 最後は、米須敦子理事がここまでの講演や意見をまとめ、日歯と各都道府県歯が継続して情報共有を行い実態の把握・改善につなげるとともに、将来的には「女性活躍」「男女共同参画」といった文言がなくなり、女性の活躍が自明なこととして定着する社会の実現を願った。

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