政治|2025年5月23日掲載
飯利理事が石川県の珠洲市総合病院の歯科口腔外科開設についてコメント
日歯、定例会見を開催
さる5月22日(木)、歯科医師会館において、日本歯科医師会(以下、日歯、高橋英登会長)による定例記者会見が開催された。
高橋会長は、挨拶のなかで5月21日(水)に開催した令和7年女性歯科医師の集いについて言及。忌憚のない意見交換が行え、「業界として残る男性社会の根強い文化に対してあらためて意識改革の必要性を実感した」と述べたうえで、女性の視点にたった会務運営や積極的に若手歯科医師のスキルアップにつながる場の提供に意欲を示した。
次に、末瀨一彦常務理事よりAPDF/APRO第46回アジア太平洋歯科大会(フィリピン、5月12日から14日)において、末瀬氏を団長として日歯代表団が参加したことが共有された。今年度より正式な会員国として復帰した経緯を述べた後、代表者会議でAPDF(アジア太平洋歯科連盟)の各国の年会費のあり方が協議されたことについて資料をもとに説明がなされた。
日歯代表団として、「投票権が1国1票ならば全加盟国同額の会費、FDI(国際歯科連盟)定款に沿うならば年会費額に応じて相応の発言権を与えられる制度でしかるべき」と要請し、29か国が参加したなかで韓国、タイ、インド、香港などのメンバーからも賛同の声を得られたことを報告した。なお、本件についてはタスクチームを設置したうえで、年会費のあり方が検討されることや各国の歯科の課題や関心の高いテーマについて情報共有を行ったことも補足された。また、WPRO(WHO西太平洋地域事務局)を訪問し、WHOに対して口腔保健の重要性について積極的に発信することや歯科関係者の人材の増員を要望したこともあわせて説明された。
最後に、飯利邦洋理事より、石川県の珠洲市総合病院に5月9日(金)づけにて、歯科口腔外科が開設されたこととその経緯が報告された。珠洲市は、震災発生以前より近い将来無歯科医地区になりうることが想定されていた地域であり、能登半島地震の影響で歯科診療所の閉業や診療時間短縮が相次ぎ、前倒しで無歯科医の自治体となっていた現状があった。現状、地震をきっかけに廃業した歯科医師2名と金沢大学から派遣された非常勤医師、歯科衛生士3名を加えた計6名体制で、週3日(水、木、金曜日)診療を行っているとのことである。