2025年10月21日掲載

「国民のための歯周治療とその未来」をメインテーマに

第68回秋季日本歯周病学会学術大会開催

第68回秋季日本歯周病学会学術大会開催

 さる10月17日(金)、18日(土)の両日、朱鷺メッセ 新潟コンベンションセンター(新潟県)において、第68回秋季日本歯周病学会学術大会(多部田康一大会長、吉成伸夫理事長)が「国民のための歯周治療とその未来」をテーマに開催された。

 本大会では2日間にわたり、特別講演、シンポジウム、教育講演、専門医機構共通研修、歯周組織再生医学優秀論文賞受賞講演、市民公開講座、口演発表、ポスター発表、ランチョンセミナーなど、充実したプログラムが組まれた。

 1日目に行われたシンポジウム1「歯科再生医療の未来を創る科学と臨床のフロンティア」では、4名の演者が登壇。岩山智明氏(大阪大学大学院)は歯根膜細胞について再定義し、同細胞がどのように歯周組織を再生し得るのかを解説した。森田和機氏(東京科学大学大学院)は歯科再生医療にかかわってきた医系技官としての自身のキャリアを紹介した。泉 健次氏(新潟大学大学院)は、培養口腔粘膜に関する自身の開発や研究内容を披露した。加治屋 幹人氏(広島大学病院)は、Bio3D移植体に関する非臨床PoCの研究内容を提示するとともに、将来の展望についてもふれた。

 2日目に行われた歯科衛生士教育講演では、「直観とエビデンスのギャップを埋める:歯科衛生士のためのデータサイエンス」と題して、相田 潤氏(東京科学大学大学院)が登壇。う蝕や歯周病の罹患状況について、日本国内と国際的なデータをふまえてどのように解釈すべきか整理したうえで、歯科医療の重要性についてあらためて強調した。

 歯科衛生士シンポジウム「歯周病管理への協働 ―歯周病で困らない社会をみんなで考えよう―」では、3名の演者が登壇。なかでも、浦邉萌絵氏(歯科衛生士、新潟県福祉保健部健康づくり支援課)は県内の歯周疾患の罹患状況について示したうえで、「健康立県」の実現に向けて行政で行っているプロモーション事業について説明。5つの柱のなかに「デンタルケア」が含まれており、かかりつけ歯科医の重要性を啓発しているということで注目を集めた。

 次回、第69回春季日本歯周病学会学術大会は、きたる2026年5月22日(金)、23日(土)の両日、アクトシティ浜松(静岡県)において、辰巳順一大会長(朝日大学)のもと開催予定。

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