政治|2025年10月24日掲載
「令和7年歯科診療所の緊急経営調査」結果を公表
日歯、定例会見を開催
さる10月23日(木)、歯科医師会館において、日本歯科医師会(以下、日歯、高橋英登会長)による定例記者会見が開催された。
冒頭、高橋会長は挨拶のなかで、第104代の首相に就任した高市早苗氏(衆議院議員)に言及。高市首相は、健康医療安全保障の構築を掲げ、「攻めの予防医療」を推進していることからも、骨太の方針に記載されている、いわゆる国民皆歯科健診の実現に向けてさらなる連携を求めていく姿勢を示した。
続いて、大杉和司常務理事より、このたび日歯会員を対象に「令和7年歯科診療所の緊急経営調査」を実施し、その調査結果について報告がなされた。本調査は、令和5年度と6年度の2年分の診療所(医療法人、個人立ほか)の経営実態を把握し、次期診療報酬改定の引き上げや政策提言など、今後の議論に備えることを目的としている。調査対象は日歯の第1種会員(開設者・管理者)で、調査期間は令和7年8月8日から9月19日、有効回答数は531件。
調査では、歯科診療所における令和6年診療報酬改定前後の費用と収益の比較によると、医療法人ならびに個人立ともに収益は増加したものの、収益よりも費用の増加率が上回る結果となった。特に、給与費と歯科技工委託費の増加が顕著に示されている。物価高騰や賃上げへの対応、委託費増加の影響によって、日歯が主張してきた歯科診療所の収支差額が悪化している結果となり、小規模の歯科診療所の厳しい経営状況があらためて明らかになっている。
大杉常務理事は、「次期改定の議論にしっかり対応していくとともに、日歯連盟や日本医師会との連携を密にし、補助金などの財政支援を求めていきたい」と述べた。