社会|2026年1月21日掲載

野原幹司氏が「薬剤性嚥下障害~歯科が行うポリファーマシー対策~」をテーマに講演

S.O.N.Y-MED(福岡高齢者医療研究会)、Webセミナーを開催

S.O.N.Y-MED(福岡高齢者医療研究会)、Webセミナーを開催

 さる1月20日(火)、S.O.N.Y-MED(福岡高齢者医療研究会、中尾 祐会長)によるWebセミナーが開催され、歯科医師や歯科衛生士を中心に60名以上が参加した。

 今回は、外部講師として約5年ぶりに招聘された野原幹司氏(大阪大学大学院歯学研究科顎口腔機能治療学講座)による講演「薬剤性嚥下障害~歯科が行うポリファーマシー対策~」が行われた。

 冒頭、野原氏は近年歯科界で注目を集めている口腔機能低下症や口腔機能訓練についてふれ、「医療の中の歯科」としての意識や気概をもつことの必要性について問題提起した。嚥下訓練によって誤嚥性肺炎予防や経口摂取が可能になった考え方や取り組みに対して言及し、実際の嚥下臨床において、薬剤が原因で嚥下障害を生じていた症例や、薬剤を変更したことで嚥下機能が改善した症例など、臨床動画も供覧しながら歯科として服薬状況をみることの大切さを訴えた。また、肺炎予防に有効な薬剤として、神経伝達物質であるサブスタンスPとドパミンを増やす薬剤、そして口腔ケアの効果についてもわかりやすく解説した。

 さらに、嚥下障害の原因を引き起こす薬剤として、睡眠薬(抗不安薬)のほか、近年認知症患者に対して多く処方されている抗精神病薬(レキサルティ)についてもふれ、薬剤変更によって効果が改善した症例を報告し、参加者の注目を集めた。

 最後に、歯科医師と歯科衛生士が薬の効果や特性を知り、歯科から積極的に処方医に投薬変更依頼を提案することで「医療の中の歯科」となることに期待を寄せた。

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