社会|2026年1月23日掲載

泉 英之氏が「全部断髄~不可逆性歯髄炎に対する新しい治療オプション~」をテーマにWeb講演

クインテッセンス出版株式会社、第82回WEBINARを開催

クインテッセンス出版株式会社、第82回WEBINARを開催

  さる1月21日(水)、泉 英之氏(滋賀県開業)による第82回WEBINAR「全部断髄~不可逆性歯髄炎に対する新しい治療オプション~」(クインテッセンス出版主催、北峯康充代表取締役社長)が開催された。本講演は、泉氏が昨年11月に上梓した書籍『治る歯髄 治らない歯髄ハイライトQ&A91』の内容をベースに行われた。

 本セミナーでは、「なぜ歯髄を残すのか?」「歯髄炎の分類」「不可逆性歯髄炎に対して全部断髄が有効なメカニズム」「断髄で石灰化は起きるのか?」「診断:出血と止血、マイクロスコープ、マイクロ無し」「全部断髄の術式」「成功の基準」「経過観察と根管治療を行う場合の判断基準」「全部断髄をするのが不安な場合」の項目に沿って進められた。

 泉氏は、昨今生活歯髄療法(vital pulp therapy:VPT)に対する歯科医師の関心が高まっているものの、誤解も多いことに言及。VPTに関する多くの文献を紐解きながら、論文を読む際には成功率や生存率といった数値だけに目を奪われるのではなく、その背景や研究デザイン、たとえば比較試験があるかどうかなどをきちんと見る必要があると述べた。

 その後、多くの症例を動画とともに供覧しながら、VPTにおける診断や治療のポイントを詳しく解説。講演の最後には、Take Home Messageとして「冠部歯髄の一部歯髄壊死が限局している場合、歯根完成歯においても断髄が適応となる可能性がある」「高い成功率が報告されているが、適応症のあいまいさ、設定されている成功の基準の限界から、数字を割り引いて考える必要がある」「断髄は根管治療の代わりに安易に行うものではなく、よく勉強して知識と技術を身につけて行う治療法である」「断髄が根管治療の代わりになるか、歯の喪失を減らすかを証明するには10年以上の質の高いランダム化比較試験、コホート研究が必要である」「全部断髄は歯の喪失リスクを大きく下げるゲームチェンジャーになる可能性がある」と述べ、「正しい知識と技術があれば歯髄は治る!」とまとめた。

 講演後の質疑応答では多数の質問が寄せられ、終了予定時刻を大幅にオーバーしながらも、泉氏はその1つひとつにていねいに回答した。

 本講演の振り返り配信は2026年4月21日(火)まで購入可能である。次回のWEBINAR #83は、きたる1月28日(水)、村松裕之氏(東京都開業)を招聘し、「イチからわかる! セファログラムの作法と心得」の講演タイトルで開催予定。今回の振り返り配信、次回WEBINARのお申し込みはいずれもこちらから。

 また、昨年11月に開催され、泉氏も登壇した2nd YOUNG Dental Innovators’ Meeting 2025も振り返り配信中。詳しくはこちらから。

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