社会|2026年6月1日掲載

『アライナー矯正歯科治療2 CLEAR ALIGNER TECHNIQUE』の出版も報告

ALIGNER RADIO #41、Sandra Tai氏を招聘して開催

ALIGNER RADIO #41、Sandra Tai氏を招聘して開催

 さる5月30日(土)、ALIGNER RADIO #41(南舘崇夫、岡野修一郎共同主宰)が、アライナー矯正治療のメンターとして世界的に著名なSandra Khong Tai氏(カナダ開業)をゲストとして招聘し、「小臼歯抜歯症例」をテーマにWeb開催した。

 ALIGNER RADIOは、南舘氏とJAO日本版Local Advisory Boardでもある岡野氏が、自身やゲストのアライナー症例を供覧しながら会話およびディスカッションし、リスナーによる質問コメントに随時回答していくことで双方向に知見を共有していくWeb配信番組である。

 まず2020年に続きTai氏の著書『アライナー矯正歯科治療 CLEAR ALIGNER TECHNIQUE』の第2弾となる『アライナー矯正歯科治療2 CLEAR ALIGNER TECHNIQUE』が日本で翻訳出版されたことが報告された。

 また、Tai氏と親交の深い南舘氏と岡野氏は、ヨーロッパアライナー矯正歯科学会(EAS)をはじめとした海外の矯正歯科関連学会で目にした講演について、「非アジア系患者の症例の場合、非抜歯治療となることが多い。アジア系であるわれわれが相対することの多い抜歯が必要な症例について国際的に著名なメンターから知る機会が少ない。ぜひその機会をつくりたかった」と今回の企画意図について語った。Tai氏もそうした国際学術大会の傾向について同意しつつ、「私が開業しているバンクーバーにはアジア系の住民が多く、私もそうした患者を扱うことになる。日本の先生方のすばらしい症例から学ぶことも多い」と、アジア系ならではの傾向について学び合える関係であることを強調した。

 講演ではまず、45報の論文をレビューしたTai氏による論文「Biomechanical considerations and staging strategies for premolar extraction using clear aligners: clinical review(アライナーを用いた小臼歯抜歯症例におけるバイオメカニクス上の考慮事項とステージングの戦略:臨床レビュー)」が紹介され、アライナーを用いた矯正歯科治療ではどのような種類の移動において予測実現性が高いか、あるいは低いかが検証された。そしてこのレビュー論文における結論に基づき、どのように実際の治療において移動の計画を組み立てていくべきかについて、Tai氏が実際に手掛けた症例を用いて示された。抜歯スペースへの傾斜防止を含めた効率の良い治療進行のために、予測実現性の高い移動を優先して使用するほか、ステージングコントロールや使いわけ、固定源を歯列の4象限にわけて設定すること、歯根の傾斜コントロール、およびオーバーコレクション(アライナー矯正治療においてソフトウェア上で理想的な位置よりわずかに大きく動かす設定を行うこと)の重要性について語られた。

 通常のALIGNER RADIOの配信と同じく、講演の途中にも南舘氏らやリスナーからの質問が飛び交い、逐次答えていったTai氏は、「一方的に話す従来の講演よりもとてもエキサイティングでした!」と述べ、深夜にもかかわらず最後まで視聴した約100名のリスナーとともに、小臼歯抜歯症例におけるアライナー矯正治療の実践的知見を共有する、密度の高い学術交流の時間を締めくくった。

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