社会|2020年7月29日掲載
中央社会保険医療協議会
大臼歯の全部金属冠で純チタン2種が保険適用

本製品を販売している株式会社ニッシンの提出資料では、金属アレルギーを有する患者などの大臼歯におけるう蝕、歯髄疾患、破損(破折)、脱離、不適合、冠破壊(破折)、冠離脱、冠不適合に対する治療に用いられるとのこと。従来の金属の補綴物と同様、歯科用鋳造機を用いて溶融成型して製作する。
純チタンは金属の中で金属アレルギーを起こすリスクがもっとも低く強度が強いため、過剰な咬合力がかかる部分にも使用することができるというメリットがある。これまで金属アレルギーを有する患者の大臼歯部には、コンポジット製のCAD/CAM冠を入れることで保険適用による治療が可能であったが、咬合高径が低い、噛む力が過剰に強いといった場合に、チタン製の補綴物を使用するという選択肢が増えることになる。
チタンについては、価格の高騰をつづける金銀パラジウム合金の代替材料としても期待が寄せられており、今後の臨床における成果に注目したい。