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2022年7月8日掲載

Dr. 角祥太郎の歯科 大航海時代を乗り切るための航海術(第7回)

Dr. 角祥太郎の歯科 大航海時代を乗り切るための航海術(第7回)
第7回:診療以外は“バカ”になろう

じつはもっとも重要な「診療以外」の取り組み
 「診療以外に関して、想いはあるけど答えはわからない」。これを現場のスタッフに赤裸々に伝えて“いい意味”でバカになることが、これからの未来創造型のリーダーに必要です。

 「診療以外」のハッキリとした答えがわからない求人や新人教育、現場のオペレーションなどの問題は、現場のスタッフが自主的に考えて提案を上げることで問題解決に向けて動き始めたり、院長の負担が減ったりします。また、「診療以外」のキャンセル率を下げる働きであったり物販であったり、SNSを通じた広報活動などの「診療以外」のことに関しても、自走的にスタッフが動くことで従来の診療がより滑らかになり、患者さんがもっと安心してくれて医院にも親しみを感じてくれます。

 じつはこのような「診療以外」の活動こそ歯科医院本来の診療をノセる要素であり、問題解決型の治療から、価値提案型の予防へと変化する大航海時代において歯科医院がもっておくべき動きなのです(診療は当然のごとくシッカリとされている前提で)。そして診療以外の「提案系統」を活動させるために、リーダーは「診療以外に関しては、答えを知っている素振りを見せない、答えを知っているふりをしない」と振る舞うことが大切なのです。

 われわれは日々の臨床現場において、確実に答えを出して問題解決する診療を行っています。それだけに「これに関しての答えを自分は知らない」と言うことに抵抗がある院長は少なくありません。診療は治療計画を示すことで最終のゴールが見え、患者さんも安心して診療を受けています。その姿をスタッフが見て「この先生に私も、私の家族も診てほしいな」と診療に惚れてもらうことで、診療のリーダーシップを取っている院長がほとんどです。それだけに、診療以外に関して「実はこれに関しては答えがまだわからないんだよね」という切り替えができない院長が多いのが現状です。

 治療全盛時代の歯科においては背中で魅せるようなリーダーがイケていました。多くの患者さんが口腔疾患で困っていた時代に治療の方法を確立した先生は著名な講師になりました。われわれ歯科医師は休日も返上してその知見を学んできましたし、その流れで現在も日々の歯科診療で地域に貢献しています。そして現場のスタッフは先生の指示にしっかりと忠実に従い、治療をサポートしてくれています。しかし、実はここにもう一つの落とし穴があります。

歯科医院という船を効率良く前に進めるために
 診療は〇か×がハッキリとしていて、数学の問題のように正解もありミスもあります。しかし診療以外は△しかなくて、やってみてもっとも〇に近い△を探ることが大切です。この感覚をスタッフが理解できていなければ提案は上がってきません。スタッフは「院長はすべての答えを知っている」と思ってすべてに指示を待ってしまうからです。診療も診療以外もトップダウンで行う院長ならばそれでもいいと思いますし、それも正解の1つだと思います。しかし、診療以外の答えがない時代においては、提案系統を動かすことが歯科医院という船を効率良く前に進めるためにもっとも大切です。実際に自分の体験からも強く言えます。提案が上がらない医院がこれから弱くなっていくのは、答えが∞にある時代に入るからです。

 イケてる未来を創造するために職種や年代を問わずに提案系統を動かし、診療以外に自走的に取り組み、診療に関しては指示に従う。このように切り替えの優れたプロ集団としての歯科医院が必要であり、その第一歩がリーダーの「診療以外に関して、想いはあるけども答えはわからない」という自己開示なのです。さぁ恐れずにバカになりましょう。

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