デンツプライシロナの「顔」

2021年7月号掲載

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2021年7月号掲載

デンツプライシロナの「顔」

歯科が国民から期待されるような社会づくりに尽力したい

 世界最大級の歯科医療機器およびテクノロジー企業として、つねに革新的なサービスを提供し続け歯科治療の進化を支えるデンツプライシロナ株式会社。2021年6月1日付で佐伯広幸氏が新社長に就任した。35年以上にわたるヘルスケア業界での経験をとおして、製薬ならびに医療機器分野においてその経営手腕を発揮してきた氏が歯科界で目指す方向性とは。本欄では氏のビジョンと想いをうかがう。

佐伯:超高齢社会の中で人間の尊厳にかかわる「食べる」「話す」「笑う」という行動に関して歯科が果たすべき役割は大きいと思います。歯を削って詰めてという治療ではなく、歯や口を含めた口腔全体の健康を管理するオーラルフィジシャンのように、歯と口の健康から全身の健康に貢献することがエビデンスとともに広がりつつあるからです。歯科界の可能性と責任は今後ますます広がっていくとデンツプライシロナ社(以下、当社)も感じています。

 当社の発展は歯科医療従事者の皆様の成功なくしてあり得ません。その成功をサポートすることによって国民の笑顔と健康に貢献することが当社の成功につながるミッションとして認識しています。私はそのミッションを成功に導く方法が大きく分けて2つあると考えています。

 1つ目は新しいプラットフォームの構築です。当社の革新的な製品やサービスの提供をとおして利用者にわかりやすいアウトカムを示すことができれば、患者さんも健康を意識して歯科への関心が高まる社会を創出でき、歯科に対する期待も高まると思います。

 2つ目は会社という存在が人に「エネルギー」を与える場であるべきだと考えています。サントリー創業者の鳥井信治郎氏の「やってみなはれ」という言葉にもあるように、人はエネルギーを与えられる場があって初めて目的に向かってチャレンジすることにつながるわけですから、自分らしくいることができる環境はとても大事です。

 「具体的な事業の目的」とそれを実現しようとするエネルギーがあるところにはおのずと事業は成長していくと思っています。

 当社としてもデジタルの領域で世界の先端を走っている自負がありますので、新しいプラットフォームを構築するというミッションに向けて情報を発信していきます。“デンツプライシロナらしさ”というコアな部分は堅持しつつ、それをベースにしながら新しい未来を創造するために具体的なアプローチ方法を提案していきます。

 最後に、私が考える“意味のあるイノベーション”とは、当社の製品やサービスをとおして歯科医療従事者の皆様がより良い歯科医療を提供していただくことで、患者さんの健康と笑顔づくりに貢献することです。当社の強みを活かして歯科全体のワークフローをトータルで支援し、歯科が国民から期待されるような社会づくりに尽力したいと思っています。