萬人一語

New Normalに備える

2020年10月号掲載

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2020年10月号掲載

New Normalに備える

 小紙の編集・制作に携わるようになり、本年10月で16年目が経過しようとしています。日本の歯科界を取り巻く諸問題はいまだ山積していますが、口腔と全身の健康に関するエビデンスの蓄積やそれらの積極的な情報発信によって、総じて歯科への国民の関心や期待が年々高まっている状況は、多くの歯科医療関係者が実感しているはずです。

 新型コロナウイルス感染症が拡大するなか、本来であれば10月に横浜で開催する予定だった弊社主催のイベントの延期をはじめ、学術大会やデンタルショー、企業の講演会・セミナーは中止があいつぎ、現在では多くの学術大会やセミナーが誌上開催やオンデマンド配信などにシフトしてきています。たとえ有効なワクチンが開発されてコロナが完全に終息したとしても、「New Normal」の流れは止まるどころか進化し続けるのではないでしょうか。

 コロナ禍で大学や学会、企業のあるべき姿が問われています。歯科界には同じテーマの書籍や雑誌があふれ、講演会やセミナーが乱立するなか、私たち出版社も旧態依然の取り組みや働き方では存在を維持することは難しいでしょう。幸い、弊社にはこれまで先輩方が長年築き上げてきた雑誌や書籍など潤沢なリソースがあります。既存の資産にどのような付加価値をつければ新しいコンテンツとして生まれ変わるのかを考え、それらのアイデアを行動に移す時がきていると思っています。

 引き続き、小紙は読者の皆様に喜ばれる紙面づくりを目指してまいります。今後の新たな試みにご期待ください。