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槻木恵一理事長が唾液の機能や重要性について言及

2022年1月号掲載

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槻木恵一理事長が唾液の機能や重要性について言及

日本唾液ケア研究会

「いい唾液の日」制定への想いを語る槻木 恵一氏。
「いい唾液の日」制定への想いを語る槻木 恵一氏。
 2021年11月28日(日)、横浜ベイシェラトンホテル(神奈川)およびWeb配信にて「いい唾液の日」制定記念・NPO法人日本唾液ケア研究会設立記念講演会(日本唾液ケア研究会主催、槻木恵一理事長)が開催された。本研究会は今年4月に設立され、唾液の健康効果を普及啓発することで、国民の健康に貢献することを目的としている。

 第1部の記念セレモニーでは、理事長の槻木氏(神奈川歯科大学教授)より、「いい唾液の日」記念日の意義について、「唾液の機能や重要性を普及させ、歯科の世界を広げると同時に新たな健康への知見獲得を目指したい」との想いが語られた。

 第2部の記念講演会では、「唾液の全身における感染症予防のメカニズムと歯科医療―日本唾液ケア研究会の果たす役割も含めて―」をテーマに槻木氏による講演が行われた。氏は、講演の中でう蝕の病因論についてふれ、医科の治療中心の体系ではなく、予防を意識した歯科独自の病因論に基づいた体系をつくるべきと主張した。

 その後、腸-唾液腺相関について解説。短鎖脂肪酸(大腸内で産出され腸内環境を整える)KOマウスを用いた研究結果を基に、腸内細菌叢のバランスが改善されると腸管免疫が賦活化され、微生物の粘膜上皮接着抑制作用やウイルス・酵素・毒素に対する中和作用などをもつ生体にとってきわめて重要な防御機構を担うIgAの増加をもたらしているのではないかとの考えを述べた。最後に「唾液から歯科を変え、唾液から新しい産業を創出する、一緒にこのミッションを実現しませんか!」と投げかけ成功裏に閉会した。