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歯科医師によるPCR検査について見解を示す

2020年6月号掲載

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歯科医師によるPCR検査について見解を示す

日本歯科医師会

 4月27日(月)、日本歯科医師会(以下、日歯、堀 憲郎会長)の新型コロナウイルス感染症対策本部は、歯科医師による新型コロナウイルス感染症に関するPCR検査のための鼻咽頭拭い液の採取の実施について、都道府県歯科医師会宛てに事務連絡を発出した。

 本事務連絡は、さる26日に厚生労働省により開催された「PCR検査にかかわる人材に関する懇親会」の中で、PCR検査への協力に合意したことをふまえ、本件についての日歯の方針と見解を示したもの。

 「決してすべての歯科医師に対して、協力を強制的に求めるものではない」としたうえで、歯科医師によるPCR検査は本来の歯科医業の範疇を超えており、その違法性を阻却する要件として、「感染が拡大し、歯科医師による検体検査を認めなければ医療提供が困難になるという状況であること」と「安全性を担保したうえで検体採取が実施されるために、実施者が必要な教育・研修を受けていること」が定められているとし、研修の内容や実施体制については厚生労働省で検討中であると報告した。

 本件における日歯の基本的な考え方については、以下にその一部を抜粋する(原文ママ)。
・多くの医師や看護師が軽症者の治療や管理等に専従できるようサポートするもので、重症者に対する医療体制を守ることにつながるものと考える。
・PCR検査体制の増強にあたり、歯科医師の参画がどうしても必要な状況であれば、日本医師会の了解および地域医師会の要請の下に協力する。
・研修は厚生労働省が主体となり、学会等の協力の下に教材製作および実施体制を整備する。日本歯科医師会もEラーニング研修実施等の協力に当たる。手技の実習等は、現場での対応も想定される。

 なお、PCR検査についての最新情報は厚生労働省のホームページに掲載されている「Q&A」を参照されたい。