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2012年5月26日

第61回日本口腔衛生学会・総会開催

「プラークコントロールマイニング」をテーマに

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 さる5月25日(金)から27日(日)の3日間、神奈川歯科大学(神奈川県)において、第61回日本口腔衛生学会・総会(荒川浩久学会長、神原正樹理事長)が「プラークコントロールマイニング」をテーマに開催され、約800名が参集し、盛会となった。本学会では3日間にわたり、シンポジウム、特別講演、パネルディスカッション、自由集会、ポスター討論、ランチョンセミナー、昨年東日本大震災の影響で延期にされていた60周年記念式典などが行われた。

 初日に注目を集めたシンポジウム「デンタルプラークをコントロールするフッ化物応用」(座長:眞木吉信氏、東歯大社会歯科学研究室教授)では、歯の硬組織だけでなくプラークや細菌に対するフッ化物の作用が明らかにされてきた昨今の状況から、最新の知見が整理された。まず「プラークコントロールとしてのフッ化物」と題して登壇した飯島洋一氏(長崎大大学院医歯薬学総合研究科社会医療科学講座口腔保健学准教授)は、最近の研究論文を紹介しながら、フッ化物と硬組織やバイオフィルム、唾液の関連について解説し、そのうえで唾液と反応させるにはプラークを除去してからフッ化物応用を行うべきであると持論を述べた。続く高橋信博氏(東北大大学院歯学研究科副研究科長・歯学部副学部長、東北大学教育研究評議員)は、フッ化物が作用する対象を宿主と細菌に分け、う蝕予防におけるメカニズムを説いた。

 2日目に行われた歯科衛生士委員会企画シンポジウム「プラークコントロールの実際」では、う蝕予防、歯周病予防、高齢者のそれぞれのテーマに対し、山本裕子氏(後藤歯科医院)、岩切明美氏(IWAKIRI SYSTEM)、三澤洋子氏(藤沢市保健所、日本歯科衛生士会常務理事)が登壇し講演を行った。いずれの演者の講演もプラークコントロールはセルフケア、プロケアの両方があってなされるものであるが、そのベースにはコミュニケーションがあることをうかがい知ることができるものであった。

 なお、次回は2013年5月15日(水)から17日(金)に松本文化会館(長野県)で開催される予定。