Quint Dental Gate 歯科のコミュニケーションサイト

文字サイズ
標準
特大

トピックス


2013年6月15日

日本臨床歯周病学会第31回年次大会開催

「ペリオドンティストが歯を守る―We save teeth―」をテーマに

 さる6月15日(土)、16日(日)、札幌コンベンションセンター(北海道)において、日本臨床歯周病学会第31回年次大会(菅野寿一大会長、西原廸彦理事長)が「ペリオドンティストが歯を守る―We save teeth―」をテーマに開催され、1,000名以上が参集した。

 会場では2日間にわたり、歯科医師セッション、歯科衛生士セッション、治療計画セミナー、ポスター発表、企業展示などが行われ、市民公開講座&歯科衛生士教養講座では、脳科学者の澤口俊之氏(武蔵野学院大教授)、川浪雅光氏(北大教授)の両氏が講演した。以下、歯科医師セッションの概要を示す。

 初日の午前には西原理事長、菅野大会長の挨拶の後、全12名によるケースプレゼンテーションが行われた。また、初日の午後にはシンポジウム「長期経過観察を通して歯の保存を考える」が開催された。まず、山崎英彦氏(北海道開業)が「長期経過観察から学んだ歯の保存の意義とその取り組み」と題して講演し、歯科医師、歯科衛生士、患者が一体となって取り組む歯周基本治療の重要性を強調した。つづいて、千葉英史氏(千葉県開業)は、「歯根膜の臨床観察と歯周病罹患歯の保存」と題し、講演。規格化されたデンタルエックス線写真をもとに、長期にわたって歯根膜、歯槽骨の観察を行い、天然歯保存に取り組んだ症例を発表した。最後に、永田 睦氏(鹿児島県開業)が「重度歯周病罹患歯列における歯と歯周組織の保存―生体力学的手法による歯の動揺の抑制」と題して講演し、力学的観点から歯周治療について自身の見解を示した。

 講演、質疑応答を通じ、患者とともに天然歯を保存する努力が患者の口腔に対する意識を高め、患者の口腔内環境改善につながっていくことが確認され、今大会のテーマにふさわしいシンポジウムとなった。

 2日目の午前には、認定医教育講演が「インフェクションコントロール」をテーマに行われた。五味一博氏(鶴見大教授)は「アジスロマイシンを用いた抗菌療法によるインフェクションコントロール」と題し、講演。歯周基本治療の重要性を前提としたうえで、中等度以上の歯周病患者に対し、アジスロマイシン(ジスロマックSR)を用いた抗菌療法の併用が有効であることを示した。

 つづいて、松井孝道氏(宮崎県開業)が、「インプラント周囲組織の長期安定を目指して」と題し、講演。インプラント周囲炎に対する現在に至るまでの松井氏の取り組み、そして現在、松井氏が取り組み、成果を上げている光殺菌療法、β-TCP air abrasionによる除染を組み合わせた治療の報告がなされた。

 2日目午後には、村上伸也氏(阪大教授)による特別講演が行われた。村上氏は「FGF-2を使用した再生療法の展望」と題して講演し、治験段階にあるFGF-2(塩基性線維芽細胞増殖因子)の研究の現在について報告を行った。また細胞移植による歯周組織再生療法についても触れ、歯科医療にも応用される未来像を示した。

 また、同会場では、前理事長である宮本泰和氏(京都府開業)、現副理事長である二階堂雅彦氏(東京都開業)をはじめ、本学会のペリオインプラント委員会の委員を中心に作成された、新刊『歯周病患者におけるインプラント治療のガイドライン』(クインテッセンス出版刊)が販売され、会場に訪れた多くの会員が手にする様子も見られた。

 なお、次期年次大会は、2014年6月21日(土)、22日(日)の両日、名古屋国際会議場(愛知県)にて、野原栄二大会長のもと「再生へのかけ橋―再生療法成功への道のり―」をテーマに開催予定である。