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2013年8月31日

第23回日本外来小児科学会年次集会開催

「こどものためのコンダクターになろう」をメインテーマに

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 さる8月31(土)、9月1日(日)の両日、福岡国際会議場および福岡サンパレスホテル(福岡県)にて、第23回日本外来小児科学会年次集会(下村国寿会長・開業医師)が「こどものためのコンダクターになろう」をメインテーマに開催された。本学会は、小児の総合医療と外来診療に関する研究と教育を促し、小児医療の向上をはかることを目的としている。そのため医師、看護師を中心に、歯科医師、教師、保健師など子どもにかかわるさまざまな専門職が参集した。

 2日間にわたって会長シンポジウムをはじめ特別シンポジウム、教育講演、ワークショップ、一般講演、ランチョンセミナーなどが催されたが、そのうちのシンポジウム「小児生活習慣病~日本の子どもの未来のために環境を整える―病院・検診・クリニック・学校からの積極的アプローチの方法を学ぼう~」では、昨今増加している小児の肥満をテーマに展開された。小児の肥満は家庭の問題と受け止められがちであるが、昨今の子どもたちは肥満になりやすい環境にあり、大災害が生じれば、被災地の子どもの環境はきわめて劣悪になる。小児期の肥満が将来の生活習慣病の重篤化につながるおそれがあることから、学校や病院、家庭が連携して子どもの将来を見据えた肥満予防を働きかけることが重要であるとした。また昨今の研究では、食事の他、運動や規則正しい生活が小児の肥満と関連していることが明らかにされており、運動できる環境や「早寝・早起き・朝ごはん」を推奨していくことも大切とした。

 唯一歯科分野として行われた教育講演「育児支援にともなう医科と歯科の連携とは!」では、井上美津子氏(昭和大歯学部小児成育歯科学講座)が登壇した。子どもの歯や口の問題においては、小児科と小児歯科とでは意見が異なる場合は少なくない。正しい情報を保護者に届けるために、数年前より両者で検討会が行われている。検討事項としては「イオン飲料とむし歯」「母乳とむし歯」「おしゃぶり・指しゃぶりによる口腔への影響」などの身近なテーマであり、本講演ではそれらにおいて推奨される考え方と適切な対応法が紹介された。