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2008年3月30日

3M ESPE学術講演会 「最新のジルコニアオールセラミックのすべて」開催される

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 さる3月30日(日)、新宿NSビルスカイカンファレンス(東京都)において、3M ESPE学術講演会「最新のジルコニアオールセラミックのすべて」(スリーエムヘルスケア(株)主催)が、約300名の聴講者を集め開催された。
 本会は、同社の販売するCAD/CAMシステム「LAVA」の周知活動はもちろんのこと、歯科用ジルコニア材料そのものの正しい理解と、その臨床応用を後押しすべく、過去2回にわたり開催されているもの。
 3回目となる今回は、三浦宏之氏(医歯大摂食機能保存学分野教授)、Dr. Ariel J. Raigrodski(ワシントン大歯学部大学院准教授)が講演を行った。三浦氏は「ジルコニアを応用したオールセラミックブリッジの臨床」と題して登壇。まず、歯科治療により金属アレルギーを生じる可能性のあるアレルゲン金属の解説やその症状を具体的に提示し、メタルフリー修復の優位性を語った。そして歯科用ジルコニア材料の強度に焦点をあて、その物性を同大学による基礎的研究結果とともに解説するとともに、支台歯形成の注意点など、臨床における考慮点を述べた。
 その後は、Dr. Raigrodskiが約4時間にわたり「Zirconia-Based Restorations―A Comprehensive Approach」と題して登壇。まず、オールセラミック材料を臨床応用する際の考慮点には審美・強度・機能・生体親和性・長期予後を総合的に勘案しなければならないとし、これらを材料・テクノロジー・臨床術式等に分類して各々解説した。Dr. Raigrodskiは講演中、いまだ短期的な臨床報告しかない歯科用ジルコニア材料への慎重な臨床応用を幾度となく喚起し、現在わかっていることを最大限に理解したうえでの安全な適用法を呼びかけた。
 両氏の講演からは、歯科用ジルコニアおよびその周辺機器・材料は未だ発展途上の材料であり、それゆえその情報はつねにアップデートする必要性があることが示唆されていた。