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2014年3月15日

日本歯科医学教育学会・日本歯科医療管理学会共催シンポジウム開催

「歯科医療における専門医制度を考える」をテーマに

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 さる3月15日(土)、日本歯科大学生命歯学部九段ホール(東京都)において、日本歯科医学教育学会・日本歯科医療管理学会共催シンポジウムが「歯科医療における専門医制度を考える」をテーマに開催され、多数の学会関係者が参集した。

 開会後、歯科医師会の立場から大久保満男氏(日本歯科医師会会長)が登壇。歯科における新たな専門医に関する仕組みとして、国民がイメージする専門医像と歯科医師が考える専門医のギャップの是正、学会独自の認定基準や運用の統一化など、学会と協同して歯科界の方向性を決めていく必要があると述べた。

 引き続き、学会の立場から住友雅人氏(日本歯科医学会会長)が登壇。医科における新専門医制度での研修が2017年から開始されることから、医科のスケジュールにあわせた歯科分野の専門医における体制づくりが急務であると述べた。具体的には、厚生労働省内に専門医のあり方に関する検討会の開催、中立的な第三者機関の設立、専門領域の研修カリキュラムの作成などを挙げた。

 また、開業医の立場から登壇した永山正人氏(日本歯科医療管理学会会長)は、日本歯科医療管理学会支部で調査した専門医に関するアンケート結果に基づいて解説。開業歯科医の考える専門医のあり方や患者誘導に使用する問題点など、その解決と環境整備の必要性について述べた。

 患者の立場で登壇した中野一宇氏は、医療面接授業などで模擬患者(Simulated Patient)として活動していることに触れながら、患者のさまざまなニーズに人間として病気を診ることができる歯科医師が求められているとした。そのうえで、専門医については専門領域の情報開示と患者にわかりやすくアプローチしやすい環境整備に期待を寄せた。

 その後、俣木志朗氏(日本歯科医学教育学会理事長)による指定発言と総合討論が行われ、総合討論では参加者からの積極的な意見が出された。

 日本の歯科医療における専門医制度が、歯科医院の集患のためでなく患者のための専門医となるためには、今回のような2学会が情報交換ならび意見交換を行い、共通理解を深めていくような具体的な取り組みが必要である。今後の動向に注目したい。