さる10月11日（日）、東京医科歯科大学特別講堂（東京都）において、全国在宅療養支援歯科診療所連絡会懇談会が開催され、全国各地の歯科医師、歯科衛生士ら38名が参加した。講演の合間には次から次へと質疑応答が繰り返され、活気あふれる会となった。

　講師の渡邊由紀子氏（元気なお口研究会「まほろば」代表）が、「訪問歯科サクセスストーリー」と題して講演した。氏はまず、事前に出席者から集めた質問を中心に、なぜ訪問歯科が広がらないのか、他職種からの歯科への本音や誤解はどんなものなのかなどを取り上げ、歯科だからこそできることを他職種や利用者へアピールする必要性を説いた。次に、自身が立ち上げた訪問歯科衛生士グループの活動内容やシステムを詳細に解説し、訪問現場において歯科が継続的にかかわることが地域の歯科潜在ニーズを掘り起こすことにつながることを訴えた。

　質疑応答では、咀嚼訓練の方法から訪問歯科衛生士の雇用形態まで、多岐に渡る具体的な質問が多くなされ、出席者が自らの地域において試行錯誤して訪問歯科に取り組んでいる姿が垣間見られた。