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2015年11月15日

日本歯内療法学会、第22回専門医セミナーを開催

歯内療法のスタンダードを考えるシリーズも6回目に

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 さる11月15日(日)、東京歯科大学血脇記念ホール(東京都)において、日本歯内療法学会(久木留廣明学会長)による第22回専門医セミナーがメインテーマに「歯内療法のスタンダードを考えるシリーズ(6)根管洗浄と根管貼薬のスタンダードを考える」を掲げて開催された。本セミナーでは、メインテーマどおりスタンダードな内容となった「根管洗浄のコンセプトの変遷とテクニックの進化」(和達礼子氏、医歯大)と「根管貼薬における水酸化カルシウムの応用について」(前田英史氏、九大教授)の2題が行われた。

 「根管洗浄は終わったのか?」というセンセーショナルな前振りで始まった和達氏の講演は、機械的清掃の限界が謳われた時代からも実はIEJ(International Endodontic Journal)やJOE(Journal of Endodontics)での論文掲載数は減少するどころかむしろ増加していることを紹介。さらに今話題のrevascularization成功のカギは貼薬、洗浄が重要であることもいわれており、まだまだ「根管洗浄は終わらない」として、とくにNaClOによる洗浄についてさらに掘り下げる必要があるとした。水酸化カルシウム製剤「カルシペックス」の開発者の1人である前田氏は、根管貼薬材に必要な殺菌効果、滲出液の抑制、硬組織形成、有機質溶解、歯根吸収抑制の5つのポイントをバランスよく備えているのは水酸化カルシウムであるとし、その応用方法を語った。ただし、水酸化カルシウムが5つのポイントをバランスよく備えるがゆえの歯質の脆弱化と、pH11.5でも殺菌できないとされているE Faecalisへの対応については、そのときどきの状況によるとした。

 30分と時間的余裕があった最後のディスカッションでは、洗浄材、貼薬材はどのくらいの量をどこまで入れるか(根尖付近)、貼薬期間はどのくらいかなど、臨床的かつ具体的な質問が多く出された。なお、日本歯内療法学会による製作・著作のDVD「歯内療法基本技能習得教材」が配付され、学会員に対する指導・啓蒙も活発に行われている様子もうかがえた。