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2015年12月23日

NPO法人ウェルビーイング講演会開催

「歯科保健チームによる復興支援―災害時にできること」をテーマに

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 さる12月23日(水)、福岡県歯科医師会館(福岡県)において、NPO法人ウェルビーイング講演会「歯科保健チームによる復興支援 災害時にできること」が開催された。

 開会後、2011年の東日本大震災の発生以降、現在もなお継続して宮城県女川町において地域歯科保健活動を行っている中久木康一氏(医歯大大学院顎顔面外科学助教)による講演「宮城県女川町における4年目の活動紹介」が行われた。中久木氏は、現在に至るまでの歯科保健活動の変遷や復興状況ついて、多数のスライドを示しながらわかりやすく説明した。また、支援活動を継続していくうえにおいて、地元住民の目線で支援を行う大切さについても述べた。

 引き続き、太田秀人氏(福岡県開業)による事例紹介「現地に行かなくてもできる復興支援」が行われ、東日本大震災時の宮城県南三陸町における歯科医療支援活動で出会った人と人とのつながりによる「支縁」を強調するとともに、そのつながりから実現した食を通じた支援活動や被災地の親子を招いた自然体験など、被災地外からできる支援活動について、さまざまな取り組みを紹介した。後藤 大氏(宮崎県開業)による事例紹介「災害前に歯科医療者ができること―宮崎市での活動紹介」では、介護施設への定期的な訪問活動や歯科医師会活動などを通して、誤嚥性肺炎予防のための口腔ケアの重要性や、食べることを支えるための歯科の役割を地域住民に発信していることを披露。また、地域住民を中心に多職種が協働して健康を支える地域包括ケアシステムの構築が、災害時における災害弱者への支援にも活用できるとしたうえで、地域づくりに歯科として積極的に参画する必要性を挙げた。

 その後、歯科医療従事者のみならず歯科学生、地域の支援団体関係者も参加したグループディスカッションが行われ、被災地と被災地外からできる支援活動について、熱心な意見交換が行われた。