Quint Dental Gate 歯科のコミュニケーションサイト

文字サイズ
標準
特大

トピックス


2016年1月31日

I.O.R.10周年記念講演会開催

「科学的な視点を持ち、もっともっと自身の臨床を分析して結果を世に出していこう!」をテーマに

ログインされますと、関連書籍が表示されます。
会員でない方はこちら
(※関連書籍がないトピックスは表示されません)

 さる1月31日(日)、イイノホール&カンファレンスセンター(東京都)において、I.O.R.(Institute for Oral Reconstruction)10周年記念講演会(竹下賢仁主宰)が「科学的な視点を持ち、もっともっと自身の臨床を分析して結果を世に出していこう!」のテーマのもと、173名を集めて開催された。

 はじめに、竹下賢仁氏(東京都開業)がオープニングセッションとしてI.O.R.発足から現在に至るまでの軌跡を紹介した。続いて、I.O.R.の最高顧問である高橋 哲氏(東北大大学院)が登壇。骨造成の適応や分類を示し、予知性が高く、外科的侵襲と合併症が少ない術式を選択することが重要であると主張した。加えて、自身で研究を進めているリン酸オクタカルシウム(OCP)コラーゲンの臨床応用の可能性を示した。寺西邦彦氏(東京都開業)は日本における歯科インプラント治療の歴史と自身の32年にも及ぶ歯科臨床を重ね合わせ、おもに無歯顎治療のそれぞれの年代における術式とその変遷について講演した。豊富な経験から語られる氏の鋭い考察は好評を博した。

 午後の部では、Oral Surgery directorである船木勝介氏(東京都開業)と外科講師である児玉 崇氏(福岡県開業)がそれぞれ「I.O.R.とは」と題して講演。両氏とも症例供覧だけでなくI.O.R.というチームに対する想いを述べ、より一層の発展を誓った。次に、神保 良氏(スウェーデン・マルメ大)が、おもに竹下氏と墨 尚氏(愛知県開業)と協力して書き上げた研究論文が、海外の学術誌に掲載されるまでの道程をドラマチックに語り、テーマに合致した講演を行った。そして、野阪泰弘氏(兵庫県開業)は抜歯窩に骨が再生されなかった症例などを供覧し、その原因と対策について詳述した。CT画像での分析を中心に、硬・軟組織の状態を見極めてからインプラント治療を行うことの重要性を説いた。行田克則氏(東京都開業)は、科学的な視点を持つためには用語の厳密な定義が必要と説いて歯肉溝内マージン=プロービング値ではないと断じ、歯周組織を正しく理解するために過去の文献を渉猟し、臨床的観点と組織学的観点から考察を加えた。最後に、クロージングセッションとしてProsthesis directorである墨氏が登壇。I.O.R.の歴史を振り返りながら、世界に通用するチームに成長するために、今まで以上に成果を世の中に出していこうと仲間たちを発奮させた。

 墨氏を中心とするメンバーから竹下氏へのサプライズとして自作の動画が披露されるなど、I.O.R.らしい和気あいあいとした雰囲気のまま閉幕となった。