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2016年2月28日

京セラメディカル NEW YEAR MEETING 2016開催

「患者にとって最適なインプラント治療とは ~適切な手技・タイミング・材料選択の基準を再考する~」をテーマに

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 さる2月28日(日)、天王洲ISビル(東京都)において、京セラメディカル NEW YEAR MEETING 2016が「患者にとって最適なインプラント治療とは ~適切な手技・タイミング・材料選択の基準を再考する~」をテーマに満員となる80名を集めて開催された。

 午前中は大澤一茂座長(茨城県開業)のもと、林 美穂氏(福岡県開業)が「患者のQOLを考慮したインプラント治療」、金成雅彦氏(山口県開業)が「バリオサージを用いた臨床応用」と題し、それぞれ講演した。林氏は60歳時に「インプラント治療で何でも噛める歯にして、引退後の生活を楽しみたい」と来院してきた患者の症例などを供覧。口腔機能を回復したおかげで栄養状態もよくなり、70代半ばを迎えた現在も元気に暮らしているケースを紹介し、QOLを高めることの重要性を強調した。金成氏は、ピエゾ機器は外科だけでなく、エンド治療や歯周治療にも有効であるとし、バリオサージを用いて治療にあたった症例について動画を交えて供覧し、好評を博した。特に下顎底の骨隆起をバリオサージで除去した症例には聴講者からの質問があいついだ。

 午後からのNew Product Introductionセッションでは松野智宣氏(日歯大)がモデレーターを務めた。まず松野氏の「骨補填材の新基準」、続いて大場誠悟氏(長崎大)の「ReFitを用いた骨造成の基礎研究」、馬場正英氏(福岡県開業)の「ボーンバイブレーターの開発コンセプトと臨床応用」が講演された。松野氏は骨モデリングやリモデリングのメカニズムに関して基礎的な研究を基に説明したのち、APACERAM-AXやBio-Ossなどの骨補填材を比較した動物実験を紹介。破骨細胞と骨芽細胞のカップリングが望める骨補填材が理想的ではないかと結んだ。大場氏はハイドロキシアパタイトとコラーゲンからなる多孔質体 ReFitを用いた動物実験および臨床例を提示し、本材料がソケットプリザベーションには特に適していることを示した。馬場氏は、抜歯窩や上顎洞内に骨移植材を填入する際に窩洞の奥まで均等に充填することを目的に自身で開発したボーンバイブレーターの臨床例を供覧し、予後も良好に経過していることに加えて大学での研究も進んでいると述べ、注目を浴びた。

 上川明久氏(東京都開業)は「咀嚼器の診断・再構築における、垂直・水平・側方・前後座標を具現化した臨床」とのタイトルで本ミーティングの締めを飾った。上川氏は、歯科医師および歯科技工士がともに理想的な咀嚼器像を共有して顎位の再構築を目的とした臨床を行う必要があると力説し、複数の座標を用いて治療した臨床例を供覧した。