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2016年10月16日

歯ぐくみ、第6回小児歯科勉強会を開催

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 さる10月16日(日)、タワーホール船堀(東京都)において、NPO法人・歯ぐくみ(今村由紀代表)による「第6回小児歯科勉強会」が開催された。

 開会後、高田結花氏(土浦協同病院・臨床心理士)は「小児の発達検査と発達障害児への対処法」と題して講演。「自閉症スペクトラム障害」(カナー型自閉症、アスペルガー症候群)、「注意欠陥/多動性障害」、「学習障害」の3つの発達障害の特徴を事例とともに解説。それらの子どもが起こす問題行動(パニック・癇癪、感覚過敏、習慣が身に付きにくい、多動/注意のそれやすさ、習癖)への対応方法が示された。また、発達障害の子どもにかけることばへの気配りの例が示された。

 最後に、小野芳明氏(前・医歯大小児歯科学講座講師、ダリ成長発育研究所所長)が「子どもの口腔保健 小児の顎関節症に関連して」と題して講演。小児の顎関節症の発症頻度は、幼稚園で5.1%、小学校で7.9%、小学校高学年で14.6%、中学生で20.6%、高校生で26.9%あるという。初来院時の主訴は疼痛がもっとも多く、初発症状は関節雑音がもっとも多かったという。学校歯科などに携わる歯科医師は、小児の顎関節症が意外に多いことをふまえ、顎関節雑音を継続して観察する必要がある、と述べた。小児の顎関節症の臨床的特徴として、(1)症状は主として雑音(9歳ごろがもっとも少なく、それから増加していく)、(2)疼痛・開口障害は少ない、(3)歯列咬合の生理的変化と関係、(4)咬合の異常と関係、(5)口腔習癖と関係、(6)ほとんどは保存的療法で改善、(7)積極的咬合誘導で再発防止を図る、ことが挙げられた。運動療法・生活指導・スプリント療法などで、臨床症状の軽減を2週間ほど図り、経過不良の場合は専門医に紹介してほしい、と述べた。