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2019年10月6日

2019年度東京SJCDハイジニストミーティング開催

人気講師・西田 亙氏を招聘し、好評を博す

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 さる10月6日(日)、御茶ノ水ソラシティカンファレンスセンター(東京都)において、2019年度東京SJCDハイジニストミーティング(東京SJCD主催)が開催され、136名が参集した。今回は、全国各地の講演会で引っ張りだこである人気講師、西田 亙氏(医師、愛媛県開業)が登壇し、「令和の時代が求める歯科衛生士像~口腔を超えて全身にも配慮できる歯科衛生士~」と題し、計3時間にわたり講演を行った。

 開口一番、「歯科衛生士は“血管”を通して口腔と全身の健康にかかわる仕事である」と強調した氏は、自身の専門である糖尿病を中心に、歯周病によるリスクがいかに高いか、歯周治療によってリスクをいかに減らせるか、国内外の文献などさまざまな資料を紐解きながら詳説。単純に研究結果が示されるだけでなく、その結果がどういう意味をもつのかまで掘り下げたり、検査項目や研究が生まれた背景にまで遡ってていねいに解説されたりするなど、参加者の理解がより深まる内容となっていた。

 また、歯周治療を担う歯科衛生士の絶大な役割について、骨太の方針2019や保険点数などにも言及しながら強調。「生まれ変わったら歯科衛生士になりたい」と自負する氏らしく、参加者に対し繰り返しエールが送られた。

 そして、糖尿病と歯周病はともに治癒しない疾患であることを強調し、外来診療においては「通院中断こそが最大の悪であり、通院継続こそが最高の善」と断言した。最後に、通院継続を可能にするための方法として、医療面接の意義を唱え、初診時にきちんと自己紹介するなどのポイントを紹介した。患者とのコミュニケーションや情報提供に生かせる知識が満載で、かつ氏ならではの独特な語り口に、参加者は終始熱心に耳を傾けていた。

 その後、杉山幸菜氏(歯科衛生士、新百合ヶ丘南歯科)が座長を務め、歯科衛生士による会員発表として「重度慢性歯周炎の患者に根面デブライドメントとEr.YAGレーザーを用いて非外科的歯周治療を選択した一症例」(本吉ひとみ氏、ウケデンタルオフィス)、「マイクロスコープを使って歯科衛生士ができること」(杉本悦子氏、跡部歯科クリニック)が行われた。それぞれの発表では、規格資料とともに症例の経過がていねいに報告され、こちらも参加者の関心を集めた。

 なお、次回のハイジニストミーティングは、きたる2020年10月4日(日)に天野敦雄氏(阪大歯学部教授)を招聘し開催予定である。