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2020年2月19日

第47回日本臨床矯正歯科医会さいたま大会開催

「未知との遭遇―新たな視点から矯正臨床を考える―」をテーマに

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 さる2月19日(水)、20日(木)の両日、ロイヤルパインズホテル浦和(埼玉県)において、第47回日本臨床矯正歯科医会 さいたま大会(坂寄正美大会長、稲毛滋自会長)が「未知との遭遇―新たな視点から矯正臨床を考える―」をテーマに開催され、380名が会場に参集した。

 1日目は開会式に続き総会、治療中の患者のフォトコンテスト「ブレーススマイルコンテスト」表彰式が行われた。また「日矯からのお知らせ」として、日本矯正歯科学会から矯正歯科治療における医療広告ガイドラインや認定医取得・更新などについて、同学会で繰り返し周知されている内容とその徹底が本会でも案内された。

 スタッフプログラムも充実しており、加藤 典氏(歯科衛生士・スウェーデンデンタルセンター)による講演「歯科衛生士のためのベーシックペリオ講座」をはじめ、会員診療所勤務スタッフによる発表やスタッフラウンドテーブルディスカッションが行われた。

 2日目の支部企画臨床セミナーでは、まず神尾 崇氏(日歯大講師)が「デスクトップ3Dプリンタによる低コスト3Dモデルの矯正歯科臨床への展開」にて、現在実施されている埋伏歯開窓牽引症例に対する3Dモデルの活用などの実例を示しながら、3Dモデル造形のこれまでと今後の展開について述べた。

 続いて槇 宏太郎氏(昭和大教授)が「矯正歯科の未来」と題して講演し、矯正歯科治療や新しい関連技術について、これまであまり顧みられてこなかったその解決すべき問題点や失敗例にも目を向け、技術の欠点を抽出し、解決方法を探らねばならないと講じた。また力学を扱う医療として生体力学の教育の必要性、一般歯科医師の矯正歯科に関する教育や診療支援システムの構築、内科的疾患も含めた疾病の管理などが必要であるとした。

 また学術企画臨床セミナーでは、新井一仁氏(日歯大教授)が「日本の矯正歯科患者における部分性無歯症の欠如パターン」と題し、AJODO(米国矯正歯誌)2019年8月号に掲載され表紙も飾った同タイトルの論文(“Tooth agenesis patterns in Japanese orthodontic patients with nonsyndromic oligodontia”)の内容について、噛み砕いて説明された。本研究は日本臨床矯正歯科医会の協力を得て実現できたもので、会員から寄せられた部分性無歯症の症例から統計を得たものである。

 続いて横田俊明氏(神奈川県開業)により、「6歯以上の先天性部分性無歯症患者の矯正歯科治療例」として、会員から寄せられた症例の治療とその治療結果について3症例が供覧された。

 残念ながら、招聘されていたUt-Ian Cheong氏(TOS:台湾口腔矯正医学会)とJeong-Ho Choi氏(KSO:韓国臨床矯正歯科医師会)の講演は、世界各地で感染が広がる新型コロナウイルスの影響のため取りやめとなったものの、2日間にわたって多くの意見が交わされる会となった。