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2020年9月6日

第17回歯内療法症例検討会を開催

会場とオンライン、初の同時開催

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 さる9月6日(日)、秋葉原UDXシアター(東京都)およびオンライン配信において、第17回歯内療法症例検討会(株式会社Toppy主催)が行われた。本検討会は、吉岡隆知氏(東京都開業)が中心となり、歯内療法症例をさまざまな角度からディスカッションして日常臨床のヒントを得ること、また治療へのモチベーションを維持することを主目的に開催されているもの。午前中のセミナーでは、以下の演題・演者で講演が行われた。

「下顎前歯部の解剖」(馬場 聖氏、昭和大)
「作業長の決定」(本郷智之氏、昭和大)
「根管充填の到達度 アンダーVSオーバー」(古畑和人氏、埼玉県開業/坂上 斉氏、東京都開業)

 なかでも、「根管充填の到達度 アンダーVSオーバー」では、古畑氏がアンダーの立場、坂上氏がオーバーの立場から、根管充填の成功率、予後に与える影響などについて考察した。古畑氏は、成功率についてはアンダーのほうが高いと述べたが、術前に根尖病変がある場合はアンダーの予後が悪いと解説した。一方、坂上氏は実際の根管充填のレベルとデンタルX線上での見え方について、デンタルX線を撮影した角度によって実際とは見え方が異なることを解説した。また、痛みについてお互いの有意差はないが、予後はオーバーのほうが悪い傾向にあると述べた。そのうえで、アンダーのほうが相対的に見て良いとされるが、オーバーが必ずしも悪いわけではないとまとめた。

 午後の歯内療法症例検討会は、6名の演者による症例発表、質疑応答が行われた後、以下の演題・演者で特別講演が行われた。

「歯科治療におけるCOVID-19対策の実際~東京医科歯科大学歯学部附属病院の場合~」(飯野由子氏、医歯大)
「コロナ禍における歯科医院スタッフの心のケア」(矢島新子氏、ドクターズヘルスケア産業医事務所代表)
「COVID-19感染症に対する医学部附属病院での取り組み」(藤田浩二氏、医歯大)

 なかでも矢島氏は、コロナ禍におけるストレスの特徴として、環境変化によるストレスが多く、かつ医療職のスタッフより一般スタッフ(事務など)のほうがストレスの影響が大きいと述べた。その理由として、危険な医療職を選択していることで周囲からの理解が得られず、差別的な目を向けられていることが要因として挙げられると解説した。そのうえで、ストレスによってメンタルを崩したスタッフへの対処法として、生活習慣、心理面からのアプローチの方法について述べ、傾聴することの重要性を解説した。

 なお、コロナ禍で行われた本症例会では、その注意喚起はもちろん、検温、手指消毒液の設置や会場の定期的な換気など、多数の配慮がなされていた。