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2020年10月22日

S.O.N.Y-MED(福岡高齢者医療研究会)、オンラインセミナーを開催

阪大准教授・野原幹司氏が特別講演

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 さる10月22日(木)、S.O.N.Y-MED(福岡高齢者医療研究会、中尾 祐代表)によるオンラインセミナーが開催され、歯科医師や歯科衛生士、看護師など45名が参加した。今回は外部講師として、野原幹司氏(阪大大学院歯学研究科 高次脳口腔機能学講座 顎口腔機能治療学教室 准教授)による特別講演「嚥下リハから見た口腔機能低下症」が行われた。

 開会後、野原氏は疾病構造の変化における歯科医療の変遷や現状にふれるとともに、う蝕や歯周病といった感染症の予防や疾患治療への対応(キュア)から、超高齢時代における高齢者の慢性疾患といった対応(ケア)について、在宅医療で求められている歯科の重要性を強調した。

 また摂食嚥下リハビリテーションの領域における多数の症例を供覧。その中で嚥下障害については病態にアプローチして訓練(リハ)するのではなく、全身疾患や服薬状況などを把握したうえで障害となっている原因を診断する必要性を説いた。さらに、2018年度診療報酬改定で保険収載された口腔機能低下症についても言及し、原因疾患の有無による嚥下障害の診断・対応など、嚥下内視鏡検査(VE)や嚥下造影検査(VF)といった動画を交えながらわかりやすく解説し、聴講者の関心を集めた。

 講演後には聴講者との質疑応答が行われ、実際の現場で遭遇したアルツハイマーやパーキンソンの認知症患者への対応など、聴講者の疑問に対して野原氏はていねいにアドバイスしていた。最後に、超高齢時代における新しい歯科医療「歯科医療3.0」が求められているとし、医療の中心で多職種とともに患者さんに寄り添える歯科医師や歯科衛生士が増えることに期待を寄せた。

 なお、現在「新聞クイント」では野原氏による「超高齢時代の歯科診療~認知症とどう向き合うか~」が好評連載中である。ぜひご参照していただきたい。(https://www.quint-j.co.jp/web/newspaper/