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2021年5月21日

第64回春季日本歯周病学会学術大会がオンラインで開催

「今、求められる歯周治療―研究から臨床へ―」をテーマに

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 さる5月21日(金)、22日(土)の両日、第64回春季日本歯周病学会学術大会(八重柏 隆大会長、小方賴昌理事長)が「今、求められる歯周治療―研究から臨床へ―」をテーマに掲げオンラインにて開催された。コロナ禍の影響で、秋季学術大会に引き続きオンライン開催となった本会だが、特別講演、シンポジウム韓国歯周病学会(KAP)招待講演、教育講演、倫理委員会企画講演、市民公開講座、口演発表、ポスター発表、共催セミナーなど、充実したプログラムが組まれた。講演動画・抄録はオンデマンドで2021年6月22日(火)まで視聴・閲覧できるほか、前回の秋季学術大会と同様に、式典やWeb討論についてはライブ配信となった。

 特別講演2では、西田 亙氏(医師、にしだわたる糖尿病内科院長)が「令和の歯周病学は炎症消退を通して全身の健康に寄与する~糖尿病・認知症領域から歯周病が注目される時代の到来~」と題して講演。歯周病と糖尿病、認知症との関連について、最新の文献を多数提示しながら解説するとともに、「これからの歯周治療は炎症消退を通して全身の健康に寄与できる」と述べ、歯科医師や歯科衛生士に医科の立場から熱いエールが送られた。

 シンポジウム1「リグロス®の創薬から育薬への過程を再考する」では、村上伸也氏(阪大教授)による「リグロス®の有効性と課題―市販後5年の経緯を経て学んだこと―」、小方賴昌氏(日大松戸教授)による「リグロス®を用いた歯周組織再生療法」、高井康博氏(広島県開業)による「リグロス®に代表される産学連携製品の歯周インプラント治療への応用」と題した講演がそれぞれ行われ、ライブ配信で行われた3氏によるディスカッションでは、「リグロス使用前の根面処理は有効か?」「GBRの際にリグロスを使う有用性は?」「リグロスによる歯周組織再生療法を行った部位の抜糸の時期は?」といった臨床的な内容について活発な議論が交わされた。

 歯科衛生士シンポジウム「日本歯周病学会において歯科衛生士が果たす役割」では、坂上竜資氏(福歯大教授)および小田 茂氏(医歯大・歯科衛生士関連委員会委員)を座長に据え、茂木美保氏(日本歯科衛生士会副会長)が「認定歯科衛生士の立ち位置を考える」、野村正子氏(日歯大東京短期大学)が「認定歯科衛生士の専門性を考える」と題してそれぞれ講演を行った。歯周病に対して予防的治療が可能な歯科衛生士のキャリアアップを補助するために設けられた、本学会における認定歯科衛生士制度について解説し、坂上氏は「わが国の歯周疾患の有病状況を少しでも改善するために、本学会の認定歯科衛生士制度の輪を広げていきたい」とし、本シンポジウムを締めくくった。

 なお次回大会は、三谷章雄大会長(愛院大)のもと、きたる2021年10月15日(金)、16日(土)の両日、名古屋国際会議場(愛知県)にて開催予定である。