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2021年9月21日

S.O.N.Y-MED(福岡高齢者医療研究会)、Webセミナーを開催

堀之内康文氏を招聘し、特別講演が行われ盛会となる

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 さる9月21日(火)、S.O.N.Y-MED(福岡高齢者医療研究会、中尾 祐会長)によるWebセミナーが開催され、歯科医療関係者を中心に60名以上が参加した。今回は外部講師として堀之内康文氏(九州中央病院歯科口腔外科部長)による特別講演「高齢者の外科的処置時の注意点」が行われた。

 開会後、堀之内氏は今回のテーマに基づき、1)有病高齢者の特徴、2)全身的偶発症の実態と回避、3)全身的偶発症の予防、4)全身的偶発症を起こしにくい局所麻酔法、5)出血、6)モニタリング、7)投薬――の7項目に分けて熱の入った講演を展開。なかでも全身的偶発症の3大要因として、精神的ストレス、身体的ストレス、エピネフリン(内因性>外因性)を挙げ、偶発症予防のために「痛がらせない、怖がらせない」を念頭においた歯科治療を行うことを繰り返し強調した。また、ベストセラーの自著『必ず上達 抜歯手技』(クインテッセンス出版)の症例を供覧しながら、抜歯にともなう局所麻酔や止血方法のポイント、抗血栓療法薬患者の出血管理などについても解説し、終始参加者の注目を集めた。

 引き続き、山城崇裕氏(福岡県開業)によるメンバー講演「口腔内、消毒しますか?洗浄しますか?」が行われた。山城氏は、常在菌の役割と共存について自身で作成したイラストを中心にわかりやすく示すとともに、術後の傷の管理について開放創のメリットや消毒ではなくプラークコントロールの大切さなどを訴えた。

 講演後は堀之内氏を交えながら参加者とのディスカッションが行われ、がん患者さんの観血処置や全身状態の評価の重要性など、明日からの臨床に役立つ内容で盛会となっていた。

 なお、山城氏の講演内容の一部が収載された書籍『常在菌との共存を考慮した口腔粘膜疾患の診断・治療・管理』(クインテッセンス出版)が11月に刊行予定である。