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2022年7月6日

東京矯正歯科学会、第81回学術大会を開催

創立90周年を記念し、在首都圏大学の歯科矯正学講座が一堂に会する

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 さる7月6日(水)、7日(木)の両日、第81回東京矯正歯科学会学術大会(本吉 満会長)が有楽町朝日ホール(東京都)とWeb配信のハイブリッド方式で開催された。

 本会では記念シンポジウム、一般口演11題、記念講演2題、特別講演、症例報告98題、企業展示が行われたほか、創立90周年記念式典として、歴代会長・副会長に感謝状が手渡された。

 1日目に行われた記念シンポジウムでは、「矯正治療の伝統と革新」をテーマに、在首都圏の明海大学、日本大学、日本大学松戸歯学部、東京医科歯科大学(咬合機能矯正学分野/顎顔面矯正学分野)、東京歯科大学、日本歯科大学、昭和大学、鶴見大学、神奈川歯科大学の各歯科矯正学講座から演者が1人ずつ登壇し、所属講座のこれまでと現在、そしてこれからの歯科矯正学研究について概要が語られた。筋の三次元評価、口腔機能の歯列形態への影響、矯正装置の革新、外科的矯正治療における軟組織の分析、外科的矯正治療の歴史とイノベーション、エッジワイズ装置の矯正力のコントロール、矯正歯科用アンカースクリューを用いた矯正歯科治療、セファログラムと三次元イメージによる顎顔面診断やCBCTなどによる力学解析、内科的な下顎骨成長促進、そして口唇裂・口蓋裂治療におけるデジタルワークフローやAIの活用など話題は多岐にわたるが、いずれも研究、臨床においてデジタルシフトの影響が強く感じられるものであった。また今後の可能性として、アライナー矯正治療における実際的な力学シミュレーション研究の必要性などにもふれられた。

 2日目の記念講演Ⅰでは、齋藤 功氏(新潟大大学院教授)が「新潟大学医歯学総合病院矯正歯科における連携医療の実践と臨床研究」と題し、同科における口唇裂・口蓋裂や顎変形症の治療の歴史を紐解きつつ、多職種連携、そして矯正歯科における形態と機能の考え方について講演した。さらに記念講演Ⅱでは、橋本正次氏(東歯大教授)が、法歯学・法人類学研究と国内外における大規模災害や事件検視に数多く携わった立場から、矯正歯科における口腔内写真、セファログラム、パノラマX線写真、顔貌写真などの記録の重要性と、人類学的知見から予想される矯正歯科の未来について述べた。

 前回の第80回学術大会は参加人数を制限し、参加者が一堂に会すことができなかったことからも、90周年の記念すべき本会を現地で迎えられたことに、主催者、参加者ともに喜びの声が上がっていた。