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2022年7月15日

(公社)日本補綴歯科学会、第131回学術大会をハイブリッド開催

「補綴の未来、歯科の未来。“Society5.0に向けたイノベーションの創出”」をテーマに

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 さる7月15日(金)から17日(日)の3日間、公益社団法人日本補綴歯科学会第131回学術大会(窪木拓男大会長、馬場一美理事長)が「補綴の未来、歯科の未来。“Society5.0に向けたイノベーションの創出”」をテーマに掲げ、大阪国際会議場(大阪府)および一部Web配信にてハイブリッド開催された。

 海外特別講演「The Smile Business Formula」では、澤瀬 隆氏(長崎大)と細川隆司氏(九歯大)が座長を務め、Christian Coachman氏(Digital Smile Design、ブラジル開業)が登壇した。氏はまず、今日のテーマとして「Why Digital?」を掲げ、口腔内スキャナ(Intra Oral Scanner:IOS)や3Dプリンタなどに代表されるデジタル技術を用いた歯科診療のメリットについて解説した。氏は、従来のアナログ作業による印象採得や口腔内写真撮影、各種咬合検査、ワックスアップの作製などが不要となる点だけでなく、スタッフや歯科技工士との症例に関する密なディスカッションなどにもデジタル技術の有用性を挙げた。さらに現在の補綴治療のトレンドが天然歯の形態を模倣したデザインとなっていることや、患者が望めば憧れのセレブリティの歯列を顔写真からコピーして患者の口腔内に合うよう作製することもできることなど、“copy paste dentistry”の可能性にも言及した。最後に会場に向けて、「ぜひデジタル技術を用いた歯科診療を自院のルーティーンとしてほしい」とのメッセージで講演を締めくくった。

 メインシンポジウム「補綴の未来、歯科の未来に向けて」では、土屋賢司氏(東京都開業)と澤瀬氏が座長を務め、馬場一美氏(昭和大)、山崎長郎氏(東京都開業、日本臨床歯科学会理事長)、本多正明氏(大阪府開業、日本臨床歯科学会副理事長)、窪木氏(岡山大)が登壇した。本シンポジウムは、日本臨床歯科学会との共催企画であり、日本補綴歯科学会のもつ基礎の力と日本臨床歯科学会のもつカッティングエッジな臨床力を掛け合わせ、特に後進の教育に役立てることを目的とし、両学会のトップ陣がそれぞれの会のこれまでの歩みやコンセプトの変遷、今後の展望などについて語った。総合討論では、両学会のコラボレーションは単年だけではなく今後も継続的に行っていくことが確認され、本シンポジウムのテーマである「補綴治療・歯科の未来を切り開く」には、デジタル技術のさらなる導入と患者への有効な発信が求められるなどの議論が交わされた。

 その他、特別講演、シンポジウム6題、臨床リレーセッション4題、各種セミナー、ハンズオンセミナー、課題口演、ポスター展示などが行われた。なお、次回の第132回学術大会は、パシフィコ横浜(神奈川県)において、きたる2023年5月20日(土)、21日(日)に開催予定。