2023年8月31日掲載

「根管洗浄を考える」をテーマに

関東歯内療法学会、第26回サマーセミナーを開催

関東歯内療法学会、第26回サマーセミナーを開催
 さる8月31日(木)、東京歯科大学水道橋新館血脇記念ホール(東京都)において、関東歯内療法学会(澤田則宏会長)による第26回サマーセミナーが「根管洗浄を考える」をテーマに開催された。古澤成博大会長(東歯大)の開演挨拶に始まり、3名の演者が登壇した。演題・演者を以下に提示する。

「化学的根管洗浄の押さえどころ」古畑和人氏(埼玉県開業)
「根管洗浄の効率化-機械化学的根管洗浄」梅田貴志氏(東京都開業)
「ErCr-YSGGレーザーを用いた根管洗浄」下山泰明氏(埼玉県開業)

 なかでも古畑氏は、まず根管治療における根管洗浄の重要性について述べ、その後、化学的洗浄効果の押さえどころとして、次亜塩素酸ナトリウム(NaClO)、EDTA、クロルヘキシジン(CHX)などの根管洗浄剤について、その性質の違いを話したうえで、昨今の本邦の根管洗浄においてなぜ次亜塩素酸ナトリウムが多く使用されているかを詳説した。また、根管洗浄液の交互作用について、1)NaClO+EDTA、2)NaClO+CHX、3)EDTA+CHXのそれぞれの組み合わせを述べ、結果として、成功率やリスクの観点から、交互作用させないことを推奨した。最後に、根管内吸引洗浄法について症例写真と動画で解説を行った。

 すべての演者の講演の後には、3名の演者に対する会場からの質問について総合討議が行われた。本会のテーマの根管洗浄は、根管治療を行ううえで重要だといわれているがまだ確かなことがわかっていないことも事実である。そのため、本会は多くの参加者にとって、臨床においてどのような材料で、どの方法で根管洗浄していくかを再考する良い機会となったと思われる。

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