2023年9月11日掲載

Er:YAGレーザーを用いてエナメル質を修復しながら歯を白くする技術を開発

近畿大学、大阪歯科大学、モリタ製作所が審美修復技術を共同開発

近畿大学、大阪歯科大学、モリタ製作所が審美修復技術を共同開発
 さる9月11日(月)、近畿大学(細井美彦学長)ならびに大阪歯科大学(川添堯彬理事長・学長)はプレスリリースにて、エルビウムヤグ(Er:YAG)レーザーを用いて、エナメル質を修復しながら歯を白くするという技術を開発したことを発表した。

 本研究は、本津茂樹氏(近畿大名誉教授)と橋本典也氏(大歯大歯学部歯科理工学講座主任教授)らの研究グループが、株式会社モリタ製作所(田中 博代表取締役社長)と共同で開発したもの。歯科治療で使用するEr:YAGレーザーを用いて、歯の主成分であるハイドロキシアパタイトを直接歯の表面に付着させることで、エナメル質を治しながら歯を白くする技術である。

 現在、主な審美歯科の治療法として、1)研磨剤によるクリーニング、2)漂白剤によるホワイトニング、3)ラミネートベニア法――が用いられているが、いずれの方法もエナメル質にダメージを与えることなどが懸念されていた。今回開発した新技術では、歯と同成分のハイドロキシアパタイトを用いることによって、アレルギー反応を起こさず安全な治療が可能となり、新しい審美歯科の治療法として期待される。また、審美歯科でなくエナメル質の修復・保護、マイクロクラックの修復にも応用できる可能性があるとのこと。今後の実用化に注目が集まる。

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