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2010年1月31日

GC友の会学術講演会 東京講演会開催

「高齢者」と「義歯難症例」をテーマに

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 さる1月31日(日)、東京国際フォーラムにおいて、GC友の会学術講演会(ジーシー主催、中尾 眞代表取締役社長)が650名の参加者を集めて開催された。本講演会では、午前の部で千葉英史氏(千葉県開業)が講演を行い、午後の部では前田芳信氏(阪大教授)、阿部二郎氏(東京都開業、東北大大学院)、亀田行雄氏(埼玉県開業)の3名がディスカッション講演を行った。また、午前・午後の講演の前には、それぞれの講演者が監修した映像が流された。

 まず、午前の部では、千葉氏が「高齢者の歯を守る~個への対応が生む安心感をベースに~」というタイトルで講演を行った。千葉氏は、一般的な高齢者の残存歯の数に比べ、自院に通院する高齢患者の残存歯が多いことをデータで示したうえで、患者と歯科医院がそれぞれの役割を果たすことが重要だと述べた。また、歯を守るためには、患者のセルフケアがもっとも大事であり、そのためには個別に患者に対応することが必要であると述べ、そうすることが結果的に、患者と長くかかわることに繋がると説明した。

 午後の部のディスカッション講演「義歯難症例に対する新しい補綴処置の考え方」では阿部氏が進行役を務めた。おもに、下顎無歯顎症例に対するインプラントオーバーデンチャー(以下、IOD)の優位性、臨床ステップの紹介、注意点について3名がそれぞれの立場から活発な意見交換を行った。IODについて、阿部氏と亀田氏は「一見簡単そうにみえるが、外科処置が入ることで、歯科医師・患者双方に負担が増加する」と述べ、前田氏も「義歯を普通に製作できる技術がなければできない」と、IODは簡単な技術ではないという見解を示した。骨吸収を抑制し、高い咀嚼効率を得られるなどIODを選択する恩恵は大きいが、CTによる診断や外科処置の技術など、実際の施術には細心の注意が必要であろう。