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2008年9月9日

第1回歯科医学・医療に関するプレスセミナー開催

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 さる9月9日(火)、新歯科医師会館において第1回歯科医学・医療に関するプレスセミナーが「口腔ケアが果たす健康の維持・回復~咀嚼、栄養、会話の力~」と題して開催された。本セミナーは日本歯科医師会(大久保満男会長)が、一般のプレス向けに初めて開催したもの。
 冒頭、大久保会長は「最近、歯科医学、歯科医療、歯科保健の分野では、新しく興味深い知見がたくさん集まってきている。しかし、それらが一般にはあまり周知されていないことを痛切に感じていたため、このような企画を考えた」と開催の理由を語った。
 会場ではまず、大久保会長が「口腔ケアが果たす健康の維持・回復」と題して講演を行った。氏はまず、「口の機能を維持増進させることによって、人間の生活の根幹に関わる、食べること・会話することを支援するのが歯科医療の意義だ」と語った。また、歯の有無や義歯の良・不良が身体的な健康状態とどう関わってくるのか、喪失歯数と死亡率との関連など、研究中である新しい知見についても解説。「歯科ほどあらゆるライフステージに関わり、生きる力を支援できる分野はない」と語り、とくに高齢者との関わりにおいて、今後歯科がどれほど重要な役割を果たしていけるのか、について詳説した。
 引き続き、菊谷 武氏(日歯大附属病院口腔介護リハビリテーションセンター長)が講演し、「口腔ケアは、誤嚥の対策や認知機能の低下予防に大きな役割を果たす。しっかり食べられて栄養がきちんと摂取できること、それが免疫力を高め、人間の生活や命を守ることにつながる」などと口腔ケアの重要性について語った。
 その後行われた質疑応答では、記者たちから、「『一口30回噛む』とよく言われているが科学的根拠はあるのか?」という素朴な疑問から、「誤嚥性肺炎の患者さんに対する内科的治療と口腔ケアとの連絡体制は?」などと今後歯科が課題とする医科との連携システムに関する質問、さらに「認知症の患者さんがきちんと診てもらえる歯医者さんを探す際のポイントは?」といった内容まで、じつにさまざまな質問が積極的に投げかけられていた。