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2010年6月25日

日本老年歯科医学会第21回学術大会開催

超高齢社会で生じる歯科的課題が浮き彫りに

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 さる、6月25日(金)、26日(土)の両日、朱鷺メッセ・新潟コンベンションセンター(新潟県)において、日本老年歯科医学会第21回学術大会(野村修一大会長、山根源之理事長)が、「地域で支える高齢者の口腔機能」をテーマに約900名の参加者を得て開催された。

 初日午前は、「教育講演1:小児歯科からみた老年歯科医療の未来像」と題し、朝田芳信氏(鶴見大小児歯科学講座教授)が登壇。う蝕の二極化、歯周疾患の低年齢化、歯列不正の問題など、現在の小児歯科が抱える問題、そしてこれらによる今後の老年歯科への影響を述べた。午後は、「シンポジウム1:生活・地域を支える歯科医療」(コーディネーター:大内章嗣氏〔新潟大歯学部口腔生命福祉学科教授〕)が行われ、鈴木 昭氏(新潟大歯学部口腔生命福祉学科)、江面 晃氏(日歯大新潟病院総合診療科教授)、片山 修氏(新潟県歯科医師会副会長)、渡部 守氏(新潟県開業)が登壇し、それぞれの立場から地域歯科医療現状と今後の展望が語られた。

 別室では、「シンポジウム2:医科総合病院での問題を探る」(コーディネーター:森戸光彦氏、菅武雄氏〔ともに鶴見大歯学部高齢者歯科学講座〕)も行われ、木村年秀氏(三豊総合病院歯科保健センター医長)、澤島果林氏(一心病院リハビリ科)、才川隆弘氏(静岡県開業)、石川茂樹氏(神奈川県開業)が登壇。総合病院における歯科医療の現状と問題点が話し合われ、総合病院に入院中の患者への歯科的サポートの充実がその後の地域(在宅)歯科医療の鍵になることが示唆された。

 2日目は、特別講演「高齢者に必要な検査とデータ判読のポイント:大規模調査のデータより」と題して岡田正彦氏(新潟大大学院予防医療学分野教授)が、「教育講演2:地域に根ざしたコホート研究―口腔状態と心肺機能―」と題して渡邉 誠氏(東北大国際高等研究教育機構教授)が登壇したほか、「シンポジウム3:高齢者の口腔機能向上サービスの推進を目指して」や市民公開講座、ランチョンセミナーも行われるなど充実の内容となった。

 さらに、2日間を通して課題講演8題、一般口演36題、ポスター発表106題が行われ、これら種々の発表によって現在、そして今後の超高齢社会で生じる歯科的課題が浮き彫りにされていた。地域歯科医療の推進や他職種との連携の重要性が叫ばれる昨今、歯科界における本学会の存在意義が今後ますます高まるであろうことは想像に難くない。