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2011年4月21日

第65回日本口腔科学会学術集会開催

緊急シンポジウム「被災者に対して、わたしたちができること」に注目集まる

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 さる4月21日(木)、22日(金)の両日、タワーホール船堀(東京都)において、「第65回NPO法人日本口腔科学会学術集会」(天笠光雄大会長、高戸 毅理事長)が「口腔科学と医のこころ」をテーマに盛大に開催された。東日本大震災の影響により、一部プログラムを変更し開催されたが、2日間にわたって、特別講演、教育講演、宿題報告、シンポジウム、特別企画など、充実したプログラムが展開された。

 なかでも、22日(金)に開催された緊急シンポジウム「被災者に対して、わたしたちができること」では、天笠光雄大会長(医歯大大学院医歯学総合研究科・顎顔面外科学分野名誉教授)と中久木康一氏(同分野助教)の座長のもと、まず中久木氏が「災害時の歯科保健医療支援活動とは~過去の災害から~」と題するテーマで登壇。2007~2009年度の厚労科研「大規模災害時における歯科保健医療の健康危機管理体制の構築に関する研究」の研究代表者である氏は、その資料をもとに災害時における歯科保健医療の役割について解説した。

 つぎに、足立了平氏(神戸常盤大短期大学部教授)が「被災地外からの歯科救護活動」と題するテーマで、震災関連死の大部分を占めるといわれる誤嚥性肺炎について言及。阪神・淡路大震災時のデータをもとに、肺炎予防には歯科からの提言が急務であるとしたうえで、医科と歯科が一体となった支援の必要性を強調した。

 また、佐藤 保氏(日本歯科医師会常務理事、岩手歯科医師会理事)が「被災地における歯科救護活動~これまでとこれから~」と題するテーマで、被災地の現状と岩手県歯科医師会の取り組みを紹介し、今後の避難所対策として、要介護者や高齢者に対する義歯の清掃や口腔ケアなどを挙げた。

 最後に田中 彰氏(日歯大新潟生命歯学部准教授)が「被災避難者を受け入れての歯科救護活動」と題するテーマで、今回取り組んだ歯科救護活動について説明した。また、新潟県中越・中越沖地震の経験をもとに、今回浮き彫りとなった広域災害への対応についても述べ、情報を一本化するための支援コーディネーターの設置が必要であるとした。