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2011年5月13日

九州歯科大学総合診療学分野、シンポジウムを開催

「プロフェッショナリズム」をテーマに議論活発

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 さる5月13日(金)、九州歯科大学講堂(福岡県)において、九州歯科大学総合診療学分野主催(寺下正道教授、福田仁一学長)によるシンポジウム「歯学士教育課程でのプロフェッショナリズム教育の構築」が開催され、大学関係者および研修医ら約150名が参加した。
 
 本シンポジウムは、欧州歯学教育学会および米国歯科医学教育学会が、歯学生が卒業する際に身につけておくコンピテンス(行動する能力)の1つとして掲げる「プロフェッショナリズム」をテーマに、世界的な潮流を背景として日本の歯学教育のなかでいかにプロフェッショナリズムを育んでいくかを議論する場として企画された。

 まず、寺下氏、福田氏による開会の挨拶後、シンポジウム企画者である木尾哲朗氏(九歯大准教授)による趣旨説明が行われた。その後、天野隆弘氏(国際医療福祉大副大学院長)による特別講演1「医療プロフェッショナリズムの定義と教育について」、藤崎和彦氏(岐阜大教授)による特別講演2「医療人育成のためのプロフェッショナリズム教育」が行われ、プロフェッショナリズムの概念が登場するに至った歴史的な背景や、医科におけるプロフェッショナリズム教育の実際が紹介された。

 午後は、事例発表として6名の演者により、オリエンテーションキャンプやグループ学習、地域体験学習といったコミュニケーションを通じて医療者としてのプロフェッショナリズムの礎を築こうとする試みなどが多数紹介された。大学教育においては単発ではなく、初年次から6年間を通じて継続して行っていくことや、ポートフォリオ評価法による「振り返り」の学習法が重要であるとした。

 つぎに、大西弘高氏(東大講師)による特別講演3「プロフェッショナリズムの教育と評価」と題する講演が行われた。氏は、プロフェッショナリズム教育を推進していくためには、痛みをともなう組織文化の変革が必要であり、学生・研修医よりも教育する側の改革が不可欠であるとした。 

 最後に、特別講演の演者3名が再度登壇し、総合討論が行われた。会場からは、具体的なプロフェッショナリズム教育のあり方について意見を求めるものや、今回多数参加していた研修医から質問が寄せられるなど、盛会裏にシンポジウムは終了した。