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2011年11月28日

第49回日本小児歯科学会大会開催

「少子化時代における、小児歯科の価値」をテーマに

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 さる11月28日(月)、29日(火)の両日、いわて県民情報交流センターアイーナ(岩手県)において、第49回日本小児歯科学会大会(田中光郎大会長、朝田芳信学会長)が「少子化時代における、小児歯科の価値」をテーマに開催され、特別講演、学術委員会シンポジウム、認定歯科衛生士研修セミナー、コデンタルテーブルセミナー、ポスター発表などに約1,000名が参集した。

 4題行われた特別講演のうちの1つ「小児科から見た小児歯科の価値とこれからの対応―保健検討委員会の経験を基にして―」では、50年以上にわたって小児科医を務めてきた前川喜平氏(東京慈恵会医科大名誉教授)が登壇した。数年前に「小児科と小児歯科の保健検討委員会」が設立されたが、委員会をとおして医科と歯科との交流が深められるようになったことや、それによりあらためて小児歯科の重要性を感じているとした。また歯科を、口腔内の疾病等を治す科ではなく、「人間の生きる力を育む科」であると称し、歯科への期待を語った。

 2日目の宿題報告「哺乳齲蝕と再評価」では、藤原 卓氏(長崎大大学院教授)が、細菌を中心にう蝕に関しての最新の知見を解説した。う蝕の発生メカニズムは、MS菌を中心とする細菌、砂糖、宿主が相関する「Keyesの3つの輪」が知られているが、MS菌以外の菌も大きく関与している可能性が近年わかってきているとした。関与する菌の1つとしては、いわゆる善玉菌として知られるビフィズス菌の可能性があることを示唆した。また、これまで哺乳う蝕は、糖質を含む飲料を哺乳瓶に入れて就寝時に飲ませる習慣や、長期間にわたる授乳などの誤った授乳行為が関係しているとされてきたが、それらのみが原因ではないことが明らかになってきており、そのため欧米では、低年齢児の重度のう蝕をECC(Early Childhood Caries)と呼んでいるとした。