2026年11月号掲載
私のはじめての1本[Scene21] 私のインプラントとの出会いとその後の歩み
※本記事は、「Quintessence DENTAL Implantology 2025年No.3」より抜粋して掲載。
インプラントとの出会い
歯学部4年生の時に父の余命を宣告された私は、大学院に進む選択肢はなく、病院歯科か開業医に就職するため、5 、6年生の長期休みに東京、神奈川、青森、岩手の診療所や病院見学に足を運んだものだった。そんな中、故種市良厚先生(東京都下北沢開業)がまだ開業される前の勤務先で、京セラのサファイアインプラントの埋入手術を見せてくださった。1984年当時学生教育には口腔インプラント学はなく、遊離端欠損や無歯顎は可撤性義歯しか選択肢はなかった。「こんな治療法があるんだ」と23歳の私は目から鱗が落ちた。しかし大学の補綴や口腔外科の先生にインプラントの話を聞いてみると、当時は大学病院にはインプラント治療後の合併症例が多かったため、あまりよい返答は得られなかった。それでも食事の際、義歯で我慢していた父の話を聞いてインプラントの必要性を強く認識した。