2026年4月号掲載
代表理事に就任した (一社)MID-Gの「顔」
※本記事は、「新聞クイント 2026年4月号」より抜粋して掲載。
変化の時代にこそ歯科医療の本質を追求する組織であり続けたい
最新の統計調査では、歯科医院数に続き歯科医師数も減少局面に入ってきている。今後の日本における歯科医療提供体制のありかたが注目されるなか、学術・教育・経営の三本柱を推奨し、歯科界の活性化に向けた取り組みで注目を集める一般社団法人MID-G。本欄では、4月から代表理事に就任する山本英樹氏(大阪府開業)に、組織としてのビジョンをうかがう。
山本:MID-G最高顧問の荒井昌海先生をはじめ、歴代の代表理事が築いてこられた理念と実績を受け継ぎながら、その精神を大切にし、代表理事として組織のさらなる発展に尽力していきたいと考えています。
私自身、日々の診療に向き合うなかで、歯科医療の質を高めるためには「個人の技術」だけでなく、「医院としてのシステム」が不可欠であることを強く実感してきました。歯科医師が臨床に専念し、患者さんに最善の医療を提供するためには、医院全体の仕組みが整備されていることが前提となります。MID-Gが提唱してきた歯科医院のシステム構築や組織づくりの考え方は、まさにその基盤となるものです。
MID-Gでは、学術・経営・教育の関係性を「8:1:1」という黄金比で捉えています。歯科医師がもっとも力を注ぐべきは「学術」であり、その臨床を支えるものとして「経営」と「教育」が存在するという考え方です。医院運営やスタッフ教育のマネージメントを体系的に学び、組織としての仕組みを整えることで、院長が安心して治療と学術に集中できる環境をつくること――それこそがMID-Gの使命であると考えています。
現在、歯科医療は大きな変革期にあります。デジタル技術の進歩に加え、AIが急速に社会へ浸透していくことが予想されるなか、歯科医療の現場も変化が求められます。私はそのような時代において重要なのは、新しい技術を単に導入することではなく、それらを日常臨床のなかでどのように活用し、診療の質を高めていくかという視点であると考えています。
MID-Gはこれまで、時代の変化に柔軟に順応しながらも、臨床の質と歯科医院のありかたを大切にしてきました。AIの普及や少子高齢化、さらには労働力不足など、歯科医療を取り巻く環境は今後さらに大きく変化していくことが予想されます。MID-Gはそのような時代の変化を見据えながら、時代に適応した学術、教育、経営の仕組みを提案し続けていきたいと考えています。
変化の激しい時代においても、臨床家としての矜持を忘れることなく、歯科医療の本質を追求していくこと。その姿勢こそがMID-Gの価値であり、これからの歯科医療においても、その存在意義はさらに高まっていくものと考えています。
MID-Gはこれまで、多くの臨床家にとって学びと成長の場となってきました。これからもその伝統を守りながら、臨床の質を高めるための知識とシステムを共有し、日本の歯科医療の発展に貢献できる組織であり続けたいと考えています。