2026年2月号掲載
歯科衛生士資格を有する課長補佐として活躍する
※本記事は、「新聞クイント 2026年2月号」より抜粋して掲載。
歯科衛生士が活躍できる社会になってほしい
全国の就業歯科衛生士数は約15万人(2024年現在)であり、その約9割は診療所勤務である。そのようななか、歯科衛生士資格を有する山下真智子氏(こども家庭庁成育局)は、国の行政機関の課長補佐として保育士の人材確保や現場で活躍できる環境整備などに取り組んでいる。本欄では、氏のこれまでのキャリアを振り返っていただくとともに、歯科衛生士としてキャリアアップやスキルアップを目指す方へメッセージをうかがった。
山下:私は、歯科衛生士として歯科医療機関や保健所での勤務を経験し、北海道庁で11年間にわたり歯科保健業務を担当していました。その間、歯科衛生士は新規採用されずキャリア形成を模索する日々でしたが、当時北海道の歯科衛生士有志10人が集まり、保健所歯科衛生士のあり方を検討し、週末には自主研修を行い、自己研鑽を積むなど就労意欲を高めていました。
一方で、係長職のポスト新設の組織要求を行い、私が北海道庁から異動した翌年度、保健所に歯科衛生士の係長級ポストが新設されました。私は、本庁から異動する時点で歯科衛生士として係長級で昇任するポストがなかったため、一般職の歯科衛生士として保健所に異動する予定でしたが、上司の計らいで歯科保健以外の業務の係長級に昇任異動となりました。
異動後は、歯科保健以外の業務を行うことになり、これまで障がい、難病、感染症等の対策などさまざまな業務を経験させていただきました。当時は歯科保健以外の業務に対応できるか不安を感じる時もありましたが、幸いにも歯科衛生士学校で学んだ知識や実習、保健所での障がい者・難病患者への歯科保健対策を行った経験などのおかげで、抵抗なく対応できています。また、保健所勤務時代に母子保健や医療給付の担当や、本庁では歯科医師会と合同でフッ化物洗口用の音楽や動画の制作など、あらゆる業務を経験させていただいたことから、事務処理は支障なくこなすことができています。
その他、新型コロナウイルス感染症対策の管理職として保健所へのポスト新設や組織体制の整備に取り組みました。2023年6月からは本庁障がい者保健福祉課で課長補佐を務め、こども家庭庁の調査研究事業の委員を引き受けたことをきっかけに採用試験を受け、2025年春からこども家庭庁職員として、保育士の人材確保や現場で活躍できる環境整備などに取り組んでいます。
近年、国民の口腔への健康に注目が集まり、歯科衛生士の活躍が期待されています。資格を有する一人として、歯科衛生士が活躍できる社会の実現を願っています。