2026年4月号掲載
震災15年、地域医療に求められる連携と継続
※本記事は、「新聞クイント 2026年4月号」より抜粋して掲載。
東日本大震災から15年経過し、被災地の歯科保健医療活動体制は大きく変化している。特に被害が甚大であった岩手県の4地区(久慈、宮古、釜石、気仙)の歯科医療機関は、震災前の110施設から85施設に減少、歯科医師の平均年齢は57.3歳から61.6歳に上昇した。
人口減少に先駆けて歯科医療機関が減少している。今後は歯科医師の高齢化により歯科医療機関の減少にますます拍車がかかり、患者対応に影響が出るだろう。また、歯科だけでなく一般医療機関も減少し、公的病院や専門科の統廃合など規模縮小が加速している。さらに、高齢者のフレイル進行、健康の悪化、健診事業の縮小などの保健活動にも影響を及ぼすとともに、行政の人材不足や予算縮小なども重なり、地域歯科保健医療を取り巻く環境は厳しい状況だ。
地域のインフラ、世帯の収入減などさまざまな要因により、健康への意識、健康状態が二極化し、地域や住民の間での健康格差が進行している。現状の取り組みとともに長期的な展望を考えると、若年者への健康教育は重要となってくる。特にこれまで継続してきた義務教育での歯科保健教育の充実は不可欠である。
人口減少や高齢化、雇用創出など、諸課題を解決することは容易ではない。しかし、われわれは地域歯科保健医療活動をとおして歯・口腔機能はもとより全身の健康保持増進に寄与し、地元の行政職や多職種と情報共有しながら医療のみならず保健・福祉、そして教育分野と連携して継続することが求められている。