2026年3月号掲載
今後求められる“攻め”の歯科医療政策
※本記事は、「新聞クイント 2026年3月号」より抜粋して掲載。
第51回衆議院議員総選挙は自民党大勝となり、歯科界の政治への取り組みを再考する結果となった。今回の選挙では、従来のイデオロギー対決から政策の実現性が論戦の中心へと移った。そして、各政調部会で議論を重ねてつくられた自民党の政策公約内容と、基本政策ですら擦り合わせが不十分だった中道改革連合との差は一目瞭然であった。また、他党非難に集中することなく政策を訴えた高市首相の演説は、SNSを通じて全国に拡散された。選挙民の投票の選択基準はムードだけでなく政策の良否、その実現性が選挙結果として現れた。
次期診療報酬改定率は+ 3.09%となった。従来と比べれば飛躍的な大幅なアップ率ではあるが、危機的な歯科医療環境の改善には到底おぼつかない。いくら大胆な積極財政をうたう高市政権であっても、改定率頼みの改善には限界がある。今後は自民維新との連立政権合意文書にある社会保障全体への大改革が不可避だ。そこには従来の社会保障費削減一辺倒でなく、無駄は省き有用なものは積極的に進める視点で、アウトカムを求める“攻めの予防医療”が考えら れる。その点では歯科は実績がある分野である。今回の自民党政策集の中にも「国民皆歯科健診」「フレイル」の文言が記載されていることがその可能性を示している。
これからは歯科界みずからが専門性のある分野を議論し、国民に有用な政策を示すことが政治の世界での政策実現に結びつく。日本歯科医師連盟は選挙だけでなく、政策集団への変貌が必要になってきたといえよう。