2024年12月号掲載
キャリアに悩んでいる若手歯科医師に贈りたい!
【PR】 歯科界を戦略的に生き抜くための情報が詰まった1冊!
小社9月新刊『Dr.マルオの歯科大学では教えてくれないヒト・モノ・カネ・情報 若手歯科医師がキャリアに悩んだときに読む本』をご執筆された丸尾勝一郎先生(東京都開業)に、本書の制作経緯や活用方法、そしてもっとも届けたいメッセージをうかがいました。(編集部)
著者が学生時代に欲しかった情報をこの1冊に!
――本書は、類書の少ないオリジナリティの高い書籍かと思います。制作の経緯や想いをお聞かせください。
丸尾:私が学生の時から歯科についての専門書籍は多くありましたが、歯科医院経営や開業、キャリアをテーマにした書籍は非常に少なかったことを覚えています。私は歯学部学生時代から「どうやって進路を決めたら良いの?」「大学院に進むべきなの?」「どうやったら成功できるのだろう?」などの悩みを抱えていました。だれしも目の前の進路や今後のキャリアの方向性について、漠然とした不安や疑問、悩みを抱えている時期があったのではないでしょうか。本書の中でもふれましたが、昨今は開業のハードルが高くなっていることもあり、歯科医師が全員開業することを選ぶ時代ではなくなりつつありますが、「開業したら経営者として歯科医院をマネジメントしなければならないのに、歯科の経営や開業について書いてある本はないのだろう? そして大学の講義に経営学やお金についての内容が入ってないのだろう?」と疑問に思っていました。
そんな学生時代から時は流れ、大学卒業から約20年が経過した2019年に私が若い頃に感じていた「こういった悩みに応えてくれる情報があったらなぁ」という思いを形にするべく、「歯科大学では教えてくれない武器を身につけよう」と題した1 年間のセミナーを開講しました。そのセミナーを1冊の書籍にまとめたものが本書であり、私が歯学部学生時代から大学卒業後の数年間に知っておきたかった内容を、Chapter1ステップアップ編、Chapter 2 マネジメント編、Chapter3リーダーシップ編の3部構成、10のテーマで解説しました。若いうちに知っていれば、数年後には同世代の友人と大きな差が出る内容だと自負しています。
丸尾:本書を読み進めるにあたり、冒頭から順番に読んでいただく必要はありません。
まずは目次を眺め、興味を引くトピック5つには「○」、次点の5つには「△」を付け、飛び飛びで読んでみてください。そして、興味深い・学びになったと感じたならば△のトピックを読み、それも面白いと思ったら残りの読んでいないページを読んでみてください。なお、最初の5つのトピックで読み終えていただいても結構ですが、できれば1年後にもう1度目次を読み直してみてください。1年前とは別のトピックに興味が移っている可能性が高いです。その時々で「読みたいページだけ拾い読み」していただければと思います。
本書の構成は、近年のトレンドを追った内容ではなく、5年、10年先も廃れることのない普遍的な情報を扱っています。長期にわたって皆さんのステップアップのお手伝いができることを願っています。
開業成功を左右する3要素「場所・コンセプト・自分の強み」
――初めての開業は多くの先生が不安を抱くかと思います。幸先の良いスタートを切るための準備や実際のフロー、押さえておくべき勘所などアドバイスをお願いいたします。
丸尾:開業するということは、歯科医師であり経営者の道を歩むことになります。所得を増やしたり、自分の城をもてることは大きなモチベーションになりますが、雇用するスタッフの人生を背負う責任もけっして小さくはありません。まずは、開業を決める前に自身と向き合いよく検討しましょう。
そして、開業を決めたのであれば「場所」「コンセプト」「自分の強み」の3つの要素を意識しながら開業の計画を練りましょう。適切な「場所」選びとユニークな「コンセプト」で集患を成功させ、そして「自分の強み」を活かすことが歯科医院の発展へとつながります。その地域の患者層からどのような需要が多く見込めるのか、その需要と自身が提供できる治療の相性、競合他院の状況、交通の便など多角的な視点から検討しましょう。
開業場所を決め、コンセプトに基づく事業計画を作成したならば、開業に向けた資金調達を行います。なお、銀行からの借入れをスムーズに行い開業に移行するためには、1,000万円程度貯めておくと良いでしょう。ある程度の自己資金を確保できていれば、金融機関の融資の審査も比較的とおりやすいです。
また、銀行との融資交渉や不動産契約を進めながら、内装デザインに関する打ち合わせも並行することになります。内装デザインに影響を与える可能性のある大型機器の導入を検討している場合は、採用する機器の配置や搬入もふまえて内装デザインを決定するようにしましょう。
嫌い・苦手分野の克服よりも好き・得意分野を伸ばそう!
――わが国は「少子超高齢化」「人口減少」によって歯科医師も何かしらの武器が求められる時代になりました。武器をつくるにあたり、もつべき考え方はありますか。
丸尾:患者さんの健康観が高くなっている昨今、高い専門性をもつ歯科医師からの治療を望む傾向は強くなっています。そこで私は、「自分が進むべき分野が見つかったならば、次はその分野のなかでもとりわけ自分が得意・好きなトピックを1 つ決めましょう」と指導しています。嫌い・苦手分野の克服も必要ですが、人は「好きなもの」「得意なこと」には夢中になったり、没頭できるものです。ぜひ、自分が好きなものを突き詰めてください。突き詰めて得た知識・経験は、あなたの臨床の強い味方になるはずです。
――丸尾先生は国内に留まらず海外でもご活躍されていますが、本書の「おわりに」では「英語」についてもふれられています。最後に、世界で活躍したい先生方へエールをお願いいたします。
丸尾:日本の歯科のレベルは国際的にも高い水準にありますが、これからも国際的に高い評価を得続けるには英語によるコミュニケーション力が必須となるでしょう。歯科医師という仕事を愛し、その道をきわめていくなかで、必ず世界という大きな壁にぶち当たります。その時に「英語」という武器をもっているか否かで、その限界を突破する成功率は大きく変わります。
最後に、すでに本書を手に取ってくださっている先生に深く感謝申し上げるとともに、本書が少しでもキャリアに悩んでいる先生方の道を切り開くヒントになりましたら幸いです。本書の読者から、歯科の日本代表が輩出されることを願ってやみません。
――本日はありがとうございました。
