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2026年2月号掲載

セファログラム学習でのつまずきを解消!

【PR】撮影から読影、診断までを 一筋の流れとして学べる 良質な教科書的1冊

※本記事は、「新聞クイント 2026年2月号」より抜粋して掲載。

 小社2025年10月の新刊として村松裕之氏(東京都開業)による『イチからかわる! セファログラムの作法と心得』が刊行されました。本欄では、小野卓史氏(東京科学大学大学院医歯学総合研究科咬合機能矯正学分野教授)に、本書の特長と見どころを語っていただきました。(編集部)

入門用にも学び直し用にも適した実践書

 村松裕之先生の最新著『イチからわかる!セファログラムの作法と心得』は、側面頭部エックス線規格写真(セファログラム)の入門から実践までを1冊でカバーすることを目的とした解説書である。著者が執筆したセファログラム読影に関するロングセラー『診断力のつくセファログラムの読みとりのテクニック』(小社刊、2010年)に対し、本書はそのエッセンスを初学者にも学び直ししたい臨床家にも使える形に再構成した位置づけといえる。セファロ分析を計測値の暗記ではなく、顔面骨格・歯列・軟組織プロファイルを総合的に評価する思考プロセスとして理解させようとするその構成が目をひく。本書を通読して感じたいくつかの特長を以下に紹介したい。

撮影から読影までを一貫して学べる構成

 本書の第1の特長は、撮影・ポジショニングからトレース・分析・解釈・診断までを、一筋の流れとして学べるよう設計されている点である。セファログラムを学ぶ際、撮影法は放射線関連の資料、分析法は矯正歯科治療の成書、と情報源が分断されがちである。しかし、本書では「良いセファロ像とは何か」から説き起こし、その前提のうえでトレースの精度や分析値の信頼性を説明しているため、読者はなぜこの手技が重要なのかを筋道立てて理解することができる。撮影条件や頭位のわずかなズレが、分析値や診断にどの程度影響するかといった臨床的コメントも随所に見られ、単なる操作マニュアルを超えて診断画像としてのセファログラムを捉え直させてくれる。

ランドマーク学習とトレースでのつまずきを解消

 セファログラム学習の最初の壁は、ランドマーク(計測点)の同定とトレースのばらつきにある。本書では、代表的ランドマークや基準線について、解剖学的位置づけとエックス線写真上での見え方のギャップを、豊富な写真・図を用いてていねいに解説している。読者が迷いやすいセラ、ナジオン、A点、B点、ポゴニオンなども、よくある誤認例や境界のあいまいさにふみ込んだ解説によって、日常臨床に直結するレベルで理解が深まる構成になっている。また、手作業でのトレースの手順を段階的に示したうえで、再現性を上げるためのコツや時間短縮と精度のバランスについてもふれており、歯学部学生・研修医が挫折しにくいトレーニング法として活用できよう。

代表的分析法を丸暗記させない説明

 多くの教科書では、代表的分析法の項目と正常値が羅列されるにとどまり、読者は数値の暗記に陥りやすい。本書のすぐれている点は、分析法ごとに、この分析が「どのような顔面型・症例に強みをもつのか」「どのパラメータを診断の軸として重視すべきか」を明確に語っている点である。さらに、個々の計測値を単独で評価するのではなく、骨格的前後関係、垂直的パターン、歯軸の傾斜、軟組織バランスといった、診断の中に位置づけて解説しているため、読者は1つの値にとらわれるのではなく、パターンとして読むという視点を自然に身につけられる。これにより、セファログラムが単なる作業から、顔貌と咬合の問題点を言語化するツールへと認識が変わる点が、本書の大きな教育的効果であろう。

症例を通じて診断思考を追うことができる

 本書には、実際の症例をもとにしたセファログラム読影・分析・診断のプロセスが多数盛り込まれている。単に結果だけを示すのではなく、まずどこに目を向けるか、どの計測値から順に確認するか、他の所見とどのように擦り合わせるか、などがステップごとに示されており、読者は著者の頭の中の診断アルゴリズムを追体験することができる。特に、境界的な骨格パターンや歯槽性の補償が強いケースなど、診断が一筋縄ではいかない症例も扱われており、分析値は正常域でも顔貌や咬合から問題が見えてくるといった臨床的な違和感の捉え方を学べる点が秀逸である。症例解説を読み進めることで、自分ならどう診断し、どのような治療目標を立てるかを自然と考えさせられるつくりになっている。

読み手にやさしい語り口

 本書の文章は平易で読みやすいが、その背後には豊富な矯正歯科治療の臨床経験が感じられる。「なぜこのポイントが大事なのか」を実感のこもった言葉で説明しているため、セファログラムを日常的に使っている臨床医にも多くの気づきを与えるものである。また、CTや3D画像が普及した現代においても、セファログラムはなお矯正歯科治療の診断の基盤であるという視点が一貫している。そのため、歯学部学生・研修医にとっては最初の1冊として、一般歯科医・矯正専門医にとっては、これまでの自己流をいったんリセットし作法を整理し直すための1冊として、それぞれ別の意味をもつ構成となっている。

新しい実用的な試み

 「Photoshopを用いたプロフィログラムの作成手順」は、本書の中でもかなり今どきで特徴的なポイントといえよう。多くの教科書は、トレースや分析法の解説はあっても、どのようにデジタル環境で実際に線を引き、重ね合わせ、プロフィログラムをつくるかまではふみ込まないことが多い。Photoshopという汎用性の高いソフトウェアを使った具体的な手順を示している点は、臨床現場でそのまま応用しやすく、実務的な価値が高いと思われる。

随所に読者を導くための工夫

 本書は、セファログラム教育の現場で長年指摘されてきた、道具としてのセファログラムの教え方の難しさに、著者なりの明快な答えを提示した1冊である。セファログラムを撮る・トレースするという段階から、解釈する・診断に活かせるという段階へと、読者を導くための工夫が随所に散りばめられている。単なるテクニック集ではなく、診断哲学を内包した良質な教科書といえるだろう。
 これから矯正歯科治療を本格的に学びたい歯学部学生・研修医、すでにセファログラムを日常的に扱っているが、分析値の解釈に自信がない、症例説明にうまく落とし込めないと感じている矯正専門医、さらには矯正歯科治療を専門にしてはいないが、咬合や顎顔面形態をきちんと理解したうえで補綴・修復・インプラント治療を行いたい一般歯科医にとって、座右の書となる1冊として推薦したい。

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