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2024年12月号掲載

Vol. 11(最終回) 母子歯科保健のネクスト・アクション

※本記事は、「新聞クイント 2024年12月号」より抜粋して掲載。

プライマリー・プライマリー・プリベンションの展開

 プライマリー・プライマリー・プリベンション(PPP)は、子どものう蝕予防を目的として妊娠期から母親に予防介入を行うことです。ミュータンスレンサ球菌(MS菌)は基本的に家族内感染なので、PPPは母親だけでなく家族全員を対象に実践することが望ましく、理にかなっています。
 筆者は、自分の大切な人の“健口”のために“まずは自身の口腔を健康にしよう”という考え方で「マイナス1歳からはじめるむし歯予防」1の啓発を行っています。自分の健康のための行動変容には消極的であっても、わが子や孫のためなら行動変容しようとする方はおられます。子どものためのMS菌感染予防を目指しつつ、実は大人の口腔環境改善にも狙いを定めた一石二鳥の戦略です。また子どもはいずれ他所の子と交流するのは必然です。そのため、この取り組みを家族単位から地域保健として広く拡大できれば、同じコミュニティに在住する子どもたちのための自助共助のヘルスプロモーションに進化します(図1)。
 また、妊娠前から重度歯周炎に罹患していたり、う蝕の超ハイリスク者が妊娠中にPPPを開始する場合、出産までの短期間で口腔環境を改善するのは至極困難です。PPPの有効性を向上させるには、やはり妊娠前の教育がカギです。たとえば、学校保健やプレコンセプションケアにPPPに関する保健教育・保健指導を積極導入し、妊婦の口腔健康は安産の一要因になること、それは今から準備できること、将来親になった際には次世代に健口を継承する必要性の認識を男女とも醸成することが望ましいと考えます。

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