2024年11月号掲載
Vol. 10 歯が生える前から取り組む口腔機能の育成
※本記事は、「新聞クイント 2024年11月号」より抜粋して掲載。
小児の口腔機能育成は究極のオーラルフレイル予防策 !?
超高齢社会の日本では、オーラルフレイルは健口状態と口腔機能低下の中間の概念として、歯科の領域からフレイル予防に寄与すべく着目されてきました。オーラルフレイル予防については、高齢期に限ったことではありません。成人期以降における口腔機能の低下だけではなく、乳幼児期・学齢期における発達を含めてライフステージ全体を俯瞰し、切れ目のない対策を考える視座が重要です(図1)。
実際に、教育現場においても口腔機能低下の低年齢化を強く実感しています。私が担当する学内実習の小児口腔機能向上訓練に関する内容の回の中で、学生らにガム・トレーニングを実施させてみると、チューイングガムでフーセンをつくることができない者や、口唇閉鎖力の検査値が年齢の基準値に達しない者がおり、その人数は年々増加しています。学内実習をとおしてオーラルフレイル予備軍であることを自覚した学生の中には、実習終了後も自発的に姿勢(立位・座位)の確認と修正、フーセンづくりやガム伸ばしなどのガム・トレーニング、ワンポイントMFT、ボタンプルの練習などを継続している者もいます。このように弱点の気づきが早期に得られれば、対処も早期に可能であることを理解し実践することも、この学内実習の隠れた学習目標となっています。