2017年9月18日掲載
全国各地から120名以上が集まる盛況に
松風、Luiz Narciso Baratieri教授来日講演会を開催
会場ではまず、宮崎真至氏(日大歯学部保存学教室修復学講座)が演者紹介を行い、引き続きBaratieri氏が約3時間にわたるレクチャーを披露。今回の来日に至るきっかけとなった日本の臨床家およびメーカーとの交流に関する話題にはじまり、天然歯の構造を知ることの重要性について強調。「まずは天然歯を知らなければ、材料が分からない」「昔のコンポジットレジンは1色しかなかった。それにもかかわらず自然に見せてこられたのは形態のおかげ」などと述べた上で、歯の形態、色、オパール効果、歯の層構造、中でもエナメル―象牙境を意識するよう述べた。また、患者ごとに異なる歯の個性を尊重することについても述べ、「今まで44年間歯を見続けてきたが、ひとつとして同じものはなかった」「歯科は完璧を目指すのではなく、最善を尽くす仕事である」とし、患者に寄り添った審美修復の重要性について語った。
症例についても多数供覧され、すでに日本国内でも知られてきたコンポジットレジン直接修復に加えてポーセレンラミネートベニアの症例も披露。氏のオフィスから離れたブラジル・サンパウロの歯科技工士との写真やデータを用いたレベルの高いコミュニケーションについても示した。多くのスライド枚数のため、20分あまりの延長となったが席を立つ参加者はほとんど見られず、そのエモーショナルな講演に魅入られていた。